こんにちは、PRを学ぶ大学生サークル「PRSAS」の水関(上智大学4年)です。
今回は、事業会社の広報についてお話を伺うため、パナソニック エレクトリックワークス社で広報・宣伝を担当している吉田綾香さん(広報3年目※取材時)にインタビューしてきました!
~パナソニック エレクトリックワークス社 吉田綾香さん~
<吉田綾香さんのプロフィール>
2017年 パナソニック エレクトリックワークス社 入社
エンジニアリングセンター 中央エンジニアリング部 照明ソフト開発課
光の波長に関する研究を行う 。
2019年 東京エンジニアリング部 東京照明EC
設計事務所 に対して照明の技術営業 として、大型オフィスビル、スタジアム、庁舎、学校などなどの照明設計支援を行う。
2023年 コミュニケーション企画センター 宣伝課 兼 広報課
担当事業部の商品・ソリューションの納入の見学会、新商品の記者発表会などを担当
照明エンジニアから広報へ
吉田さん、本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、広報に配属されるまでについて教えていただけますか?
大学では工学部建築学科に所属し、ライティング・照明の研究を行っていました。パナソニックに入社後は、 研究職としてキャリアをスタートしました。その後、大阪から東京 に異動し、設計事務所 に対して照明の技術営業を担当しました。
もともと技術営業をされていたということですが、広報に配属されたきっかけは何だったのでしょうか?
照明の分野で様々な大型案件に携わる機会をいただき 、せっかく なので照明以外もやってみたいと思うようになりました。ちょうどそのタイミングで、「エレクトリックワークス社コミュニケーション企画センター」の社内求人を見つけ、宣伝の募集に応募してみました。2023年1月に異動したところ、広報も兼務することとなり、現在は宣伝と広報の両方で 勤務しています。
広報としての仕事「『つくる』側から『広める』側に」
技術営業と 広報では、大きく異なる部署だと思うのですが、様々な選択肢の中で宣伝を選んだきっかけは何だったのでしょうか?
照明の仕事の中で、多くの大型案件に関わったことがきっかけです 。東京スカイツリーをはじめ、東京のランドマーク にはパナソニックの照明が多く使われています。そのことをもっと皆に知ってもらいたいと思うようになりました。
技術をつくる側、提案する側から、それらの活動を社会に対して広めていく側になりたいと考えました。
※補足※
広報と宣伝 “の両方を担当されている方は、実は吉田さんが初めてだそうです!広報と宣伝のどちらも担える「ハイブリッド人材」を育成する狙いがあるんだとか。
広報と宣伝の連携で相乗効果を生む
異動される前と後で、広報に対する印象の変化はありましたか?
広報に配属される前は、宣伝と広報の役割の違いについてあまり理解していなかったのですが、配属後、予算をかけてプロモーション活動をしていく宣伝 と、記者との関係を作って記事を書いてもらう広報、双方についての解像度が上がりました。
照明について発信していきたいと考えていましたが、その発信方法が色々あること、そして、宣伝も広報も、手段こそ違えど同じくやりたいことができることに気づきました。今では、両方の手段を使える環境で、自分が本当にやりたかった仕事ができていると思っています。
兼任しているからこそできたことはありますか?
発信方法の違いを理解した上で連携させることで、相乗効果を生むことができます。例えば、北海道のエスコンフィールドHOKKAIDO の案件では、広報としては、記者を呼んで発表会を行う一方、宣伝としては、施設のCMを作って露出を計画し、両方を使い分けることで、露出を最大化することができました。
また、広報業務を通じて記者との関係を構築し、事業内容を理解してもらっていることによって、宣伝の業務もやりやすくなっています。
良い関係づくりのために
仕事をする上で心がけていることはありますか?
伝え方やメディアの選別、記者対応など、いくつかのポイントを心がけています。BtoB事業であるエレクトリックワークス社の商材は一見難しいと感じられることも多く、丁寧なコミュニケーションが必要となります。どのような表現をすれば分かりやすく伝えることができるか、客観的な視点を持って考えるようにしています。
※補足※
具体的には、エレクトリックワークス社について興味を持ってもらえるメディア・記者さんに対して情報伝達を行っているのだそうです 。そして彼らメディアに関心を持ち続けてもらうために、製造現場や工場の見学を実施しているんだとか!
メディアに関しては、こちらが一方的に情報を伝え、記者の方が取り残されてしまう、ということにならないよう、記者の方が疑問を感じていそうだったらフォローを入れることも心がけています。
馴染みの方が多いというのもありますが、記者の方から意見を言っていただくことも多くて。中には、「もっとこういうの無いの?」とか言って下さる方もいらっしゃるので、良い関係性でいられているなと思います。
報道されるときに、パナソニックに焦点が当たる場合と、クライアントに焦点が当てられる場合がありますが、そのあたりは何か意識しているのでしょうか?
クライアントと当社の共同発表もありますが、クライアント側に寄りすぎないようにしています。うちの事業をちゃんと理解してもらうことが重要だと思います。
営業はお客さんを立てるよう要求してくることもありますし、一方で記者によってはパナソニックメインじゃないと書けないという人もいます。 双方の関係を上手く調整し、結果的に営業から「お客さん喜んでくれました、感謝されました!」というフィードバックがあると、 嬉しいです。
記者との関係づくりだけでなく、クライアントとの関係づくりも重要なんですね。営業部のお話もありましたが、やはり社内の調整も難しいのでしょうか?
難しいですね。例えば、広報発表をする際に、営業部から「忙しい中で、広報発表をして何か良いことあるの?」といった意見をもらうことも多いです。でも、実際にやってみると、「凄くお客さまが喜んでくれました」、「やってよかった」って言ってもらえます。そういった意味では、広報発表のメリットを社内に伝えていくことも意識しています。
※補足※
広報では、社内向けの資料も作っていて、それを営業で活用することもあるそうです!
今後の展望「宣伝と広報の両方だからこその事例を」
これまで二年間、広報に携わる中で、成長を感じたことはありますか?
どんな内容があれば記者が記事化してくれるか、面白いと思ってくれるのか、という視点を持てるようになってきたかな、と思っています。かつて自分が営業側にいた時、事例の発表は記者や一般の人々にとって面白いのだろうか?と疑問に思っていました。しかし、広報を担当するうち、そうした事例から「面白い」の種を見つけ、面白さを引き出すこと、価値を発見することが、少しずつできるようになってきています。
最後に、今後の展望について教えてください。
近年では広報と宣伝の連携 が深まり、双方が協力し合うようになってきました。そうした中で、宣伝と広報をどちらもできていることはラッキーだと思っています。両方を同時に担当しているからこそできた、という事例を、さらに作っていきたいですね。
おわりに
今回のインタビューの中で特に印象的だったのが、自社製品の魅力についてお話している時の吉田さんの生き生きとした表情です。
自社製品に対する自信と愛情を持って、その良さを広めていく。事業会社の広報ならではのやりがいを肌で感じることができました。
広報と宣伝の両方を兼任するという新しい取り組みの中で、どんなことができるのか、吉田さんの今後のご活躍にも注目していきたいですね!
<パナソニック エレクトリックワークスとは>
エレクトリックワークス社は電気設備の分野で住宅、オフィス、ホテル、商業施設、スポーツ施設など社会を構成するあらゆる”くらしの空間”で事業を展開しています。
ライティング事業部、電材&くらしエネルギー事業部、ソリューションエンジニアリング本部に分かれており、 スイッチコンセントなど配線事業では、国内電材市場でシェア8割を占め、海外でもインド、トルコ、ベトナムなど、世界へも展開しております。
また、配線器具、配管ダクト、分電盤、マンションインターホンなども提供しており、ソリューションエンジニアリング本部では、データを活かしてクライアントに次のステップを提案するなどのソリューションの提案を行っています。