スキマバイトがきっかけで広報に

広報PRの仕事を志し、願いかなって希望の仕事に就いた人たちは、一体どのようにしてその仕事にたどり着き、どんな風に働いているのか。第1回は、「スキマ」時間のバイトをマッチングするアプリ「タイミー」運営会社、株式会社タイミーの広報担当1年目、加藤さんに話を聞いた。

バイトがインターンに、インターンが就職に

大学の社会学部で学んでいた加藤さんは、就職活動で訪れたPR会社の説明会で、ある難病の社会啓発活動の事例を聞き、PRという手法には、社会課題の解決や世論を変える力があるのだと感銘を受けた。それをきっかけに情報収集していて、別の大学で、企業の広報の話を聞くことができる機会を見つけ、潜り込んだ。急成長中のITベンチャーの広報責任者が、どんな広報活動をしているかを学生向けに紹介する特別授業だった。

「戦略を立てて逆算して実行していく話が面白かったんです」と振り返る。

ある企業のグループディスカッションで、同じグループの参加者が「タイミー」を話題に出した。2019年5月のことだ。「タイミー」とは、空いた時間に働きたい人とすぐに人手が欲しい店舗・企業をつなぐ「スキマバイト」アプリ。知らなかった加藤さんは、自分でも使ってみることにした。

たまたま見つけた最初のバイト先が、そのタイミーの運営会社だった。

その時の仕事は短時間のデータ入力だったが、社員からカスタマーサポートのインターンで来ないかと告げられた。それに対して加藤さんは、「広報に興味があります」と伝えたと言う。

会社はその希望を受け入れ、インターンとして広報の仕事がはじまった。月3回程度、主に掲載事例記事や社員インタビューの記事制作を担当した。実はその間も、就職活動を続けていた。そして内定も出ていた。

内定先と悩んだ末、社長や上司の誘いも受け、2020年4月、新卒として株式会社タイミーに入社した。

入社の決め手はいくつかあった。タイミーの進む方向や世の中に貢献できるサービスの可能性に共感したこと、これからタイミーを広報・PRをするやりがいを感じたこと、実際の業務を経験して仕事のイメージが出来ていたことや働いている社員の人となりを知っていたことに加え、尊敬する上司の存在も大きかったと言う。入社後も、その上司のサポートのお陰で、思い描いていた業務とのギャップ無く働けていると語る。


「待つしかないもどかしさ」があった初めてのメディア対応

入社してからは、タイミーのことをより広く知ってもらうためのメディアアプローチに多く時間を割いている。掲載したいメディアに載っているニュースを分析し、その傾向に合わせた企画を作成して資料を送る。メディアの問い合わせ窓口はもちろん、SNSなども活用し、接点のなかったメディアへもアプローチを拡げている。また、社内情報収集では、Slackなどを活用し、他部署から日々情報を集め、社内外の情報収集や分析を続ける。

仕事に慣れてきた頃のこと、上司から初めてメディアへのアプローチを任せてもらった経験が忘れられない。

新サービスの情報をメディアに伝えたが、まったく反応がなかった。
「ブルーでした」と振り返る。

何の音沙汰もない状態で3週間が過ぎ、メディアからは何のフィードバックもなく、前にも進めない状況だったと言う。ところがその後、メディアの1社から連絡が入り、記者との話も弾んで、記事が掲載されたことを皮切りに、複数のメディアに取り上げられ、その努力は報われたと感じた。

最初に上司からは「そういうもの」だと聞いてはいたが、実際にその状況に直面すると、「待つしかないのがもどかしかった」と話す。

仕事には手応えを感じている。

「どんどんレベルアップさせていただいている感じです」と加藤さん。

「日々積み重ねていくような地道な仕事が多いです」とも。たとえば、記事制作が出来るようになると、次は上司からメディアリレーションの仕事を任せてもらうなど、広報として経験を積む。まずは上司の右腕になることが、現在の加藤さんの目標だ。

学生にアドバイスは?と聞くと、「まず行動することが大事、職場見学はほんとに大事」と語る。

「広報の仕事でこれからチャレンジしたいことは?」

コロナ禍で現在は活動が難しいですが、ありとあらゆるメディア関係者とのリレーション構築をめざしたい。また、広報の延長でライティングや編集業務にも興味があるので、腕を磨きたいです。