2001年から始まったPRアワード。24回目となる今年、日本パブリックリレーションズ協会主催による初の「PRアワード2025攻略セミナー」が2025年8月5日に開催された。PRアワードの審査委員や昨年のグランプリ受賞者を登壇者に迎え、審査における注目ポイントや新しくなったエントリーシートの解説、受賞者が意識したポイントや審査会でのエピソードが語られた。このセミナーをレポートする。
登壇者
<審査委員>
小林正史 氏((株)プラップジャパン 戦略企画部 部長/Group Planning Director)
横田 和明 氏((株)日本パブリックリレーションズ研究所 取締役副社長)
<2024グランプリ受賞者>
鈴木 里彩子 氏((株)マイナビ)
セミナーのコンテンツ
アワードの審査における重要なポイントから、グランプリ受賞企業の具体的なエピソードまで、参加者にとって有益な情報が多岐にわたって共有された。
まず、審査委員が最も重視している点として、「課題設定の独自性」や「マルチステークホルダーとの共創」といったポイントが挙げられ、それらを踏まえた効果的なエントリーシートの書き方について解説がなされた。また、審査委員長による今年の審査方針についても特別に明かされた。
続いて、昨年グランプリを受賞した株式会社マイナビの「アルバイトの立ちっぱなし問題解決を目指す「座ってイイッスPROJECT」」が紹介された。これは働き方改革の一環として取り組まれ、現在までに287社が椅子を導入しているという社会的なプロジェクトだ。受賞時のプレゼンテーションやコメントはPRアワードページから確認できるが、このセミナーでは、意外なエントリーのきっかけから、グランプリ受賞やPR活動を通じて会社や社会に与えた影響力の大きさについて、具体的なエピソードが語られ、参加者は熱心に耳を傾けていた。
質疑応答
「社会的な影響力と事業的な売上結果のどちらが審査において有利か」という評価軸に関する質問や、過去の受賞作を例に「一度書類選考で落選した作品が、翌年グランプリを受賞するまでにどのような改善があったのか」など、核心に迫る質問が寄せられた。
セミナーの最後には、審査員を務める小林氏と横田氏が自身の経験やマーケティングPRについて触れ、エントリーを検討している参加者に温かいエールを送り、盛況のうちに幕を閉じた。
まとめ
本セミナーは、PRアワードへの応募を検討する企業やPRパーソンにとって、審査の核心、効果的なエントリーシート作成の秘訣、そして受賞がもたらす事業・社会への具体的なインパクトについて、実践的な知見を得ることができる有意義な場となった。
文責:(株)井之上パブリックリレーションズ 栖川 虎之介