PRアワードグランプリのグランプリ・ゴールド・シルバーの受賞者には、当協会オリジナルのトロフィーが賞状とともに授与されます。

このトロフィーは、円形の木工と円形の金工が組み合わされており、異質な素材の組み合わせが一体となって、日本の象徴的な丸を表現しています。金工の素材の違いでグランプリ、ゴールド、シルバーの各賞を表しています。

グランプリ(真ん中):真鍮にロジウムメッキ、槌目加工
ゴールド(左):真鍮に硫化処理、槌目加工
シルバー(右):真鍮にシルバーメッキ、硫化処理、槌目加工

多様なステークホルダーとの関係性によって新しい創造を実現する日本独自のパブリックリレーションズ領域、その最高峰を表彰するPRアワードグランプリにふさわしいトロフィーといえるでしょう。

制作はデザイン会社フェノメナ代表の小高洵氏の企画・プロデュースのもと、木工・金工において第一線で活躍されているアーティスト、宗像重幸氏と光本岳士氏のコラボレーションによるオリジナルデザイン・造作となっています。

アーティストのご紹介

宗像 重幸 Munakata Shigeyuki

神奈川県川崎市生まれ
武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科 卒業
インテリアショップ、設計事務所勤務等を経て制作活動
2008より府中市にて制作活動
家具や什器、木工小物などのデザインや制作を手掛ける。
展示等多数
武蔵野美術大学他にて非常勤講師

光本 岳士  Takeshi Mitsumoto

1962 岡山県生まれ
1987 東京学芸大学美術科大学院修了
2000 金属造形工房設立

金工作家として国内外で金工作品を発表、
またホテル、マンション、病院等の建築空間に金属によるアートを設置

公式HPはこちら

PRアワードグランプリ トロフィーの制作のコンセプト・プロセスについて

企画・プロデュース:小高洵氏(フェノメナ)
PRアワードグランプリ トロフィーの企画・プロデュースを担当

プランニングとデザインについて

木と異素材の組み合わせのコンセプトは、2017年度に初めてPRアワードグランプリのトロフィ制作に携わることになった当初からありました。さらに日本のPR業界の賞なので「和」の素材、モチーフも事務局から求められていました。
木工の宗像さんと何度か会って相談し、可能性を探りました。

以前(2020年度まで)のトロフィーのように異素材はアクリルにするか?
ガラス、陶器、石、など、他の素材も色々と候補に上がりましたが、3つのプライズで仕上がりに変化をつけなければならないことや、一度で終わらず、次年度もご依頼があれば、同じ仕様を正確に再現しなければなりません。

そんなことから、持続的な制作や、色々な加工で仕上がりに変化を付けることが可能な金工に決めました。

今回2021年度のトロフィーデザインの見直しにあたり、「円」のモチーフは継承する方向で、とのご希望が事務局からありましたので、いくつかのデザイン案の中から、以前より太めの木枠に、色と光沢が異なる金属を納めることに決定しました。

 

制作工程について

木工部分は2020年度までのグランプリでも使っていたウォールナットを3賞(グランプリ、ゴールド、シルバー)共通で使用し、変形しないよう、また、表面の色味に変化が出るよう、木をレンガのように段積みして接着し、円弧のデザインを削り出しました。

金属部分の形状に関しては、木部中央で納まりがよく、美しく輝く形状として、紡錘形の断面にしました。2つの球面を宝飾でも用いられる技法、ロウ付けにて隙間無く接合しています。

金属表面の仕上げに関しては、ゴールド・シルバーの上位に特賞であるグランプリがあるため、そのグランプリの金属仕上げの色味について大いに迷いました。
以前のイメージを継承し、地金とメッキや薬品処理、金槌を使った手仕上げで変化を付けることにしました。

グランプリ:真鍮にロジウムメッキ、槌目加工
ゴールド :真鍮に硫化処理、槌目加工
シルバー :真鍮にシルバーメッキ、硫化処理、槌目加工

 

このトロフィーが長く愛され、PRに関わる皆様の目標となることを願います。