日本の先進技術を海外にインストール
Panasonic nanoeX × Grab

事業主体:パナソニック株式会社
エントリー会社:株式会社博報堂
応募カテゴリー:コーポレート・コミュニケーション


コロナ禍で移動への不安が社会問題化する中、空気清浄技術「nanoeX」をいち早くASEAN各国へ普及させるべく、Grabタクシーの車両にnanoeX発生器の搭載を提案。不安を感じていた密閉空間である車内を、技術体験ができる走るショールームへと変身させた。

Grabとのパートナーシップで信頼を醸成させる

技術に自信があっても、社会実装させるべき該当国で知られていなければ人々には受け入れてもらえない。特に、健康に影響を及ぼす大切な事項であればなおさらのことだ。

そこで、ライドシェア、フードデリバリー、フィンテックなど人々の生活に根差した、毎日の暮らしに欠かせないアプリを提供するASEAN最大のプラットフォーマー「Grab」とパートナーシップを結び、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムの4ヵ国での大々的なサービスローンチを発表した。

その結果、地元の人々が「あのGrabに搭載されるくらいなら、信用できる技術だろう」と考えるようになり、精神的障壁を取り除くことができた。普段から使っているGrabアプリでタクシーを呼ぶだけで、それまでは不安だった密閉空間での移動が、nanoeXの技術を体験できる快適な時間へと180度変わったのである。

確かな技術がさまざまな形で人々の生活を支えていく

この取り組みは乗客(生活者)だけではなく、運転手にも好影響を与えた。彼らにとって乗客からの評価である「レーティング」は非常に重要だが、nanoeXを搭載したタクシーの運転手たちからは「客からも好評で、レーティングを高い状態でキープできて助かっている」という声が届くようになるなど、Grabにとっての大切なステークホルダーである運転手たちの生活を支えることにも繋がったからだ。もちろん、配車アプリを介してnanoeXの認知と理解が広まった結果、nanoeX搭載の家庭用エアコンの売れ行きにも好影響を与えている。

またこの情報を聞きつけたベトナム政府から要請があり、「政府公認の医療従事者のための病院送迎Grabタクシー」という社会インフラサービスまで誕生することとなった。 社会課題と真正面から向き合いながら海外での技術ブランディングを推進することに、PRの力が大きく貢献できることを示した事例といえるだろう。


Voice from STAFF

株式会社博報堂 PR局 クリエイティブディレクター 北川佳孝
馴染みのあるブランドも、国が変わると見向きもされないことがよくあります。「人々に健康で快適な空気質を提供する」という確固たるパーパスがあったからこそ、4ヵ国にまたがってもブレずに推進することができました。