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情熱があれば、だれでも音楽家。 「だれでも第九」プロジェクト |
エントリー会社:株式会社電通東日本
事業主体:ヤマハ株式会社
2024年12月11日 受賞者プレゼンテーション
【課題】手足に障がいがあると、ピアノでの演奏/合奏が難しいという先入観
障がいを抱える人にとって、健常者と同じ水準でピアノを楽しむことが難しいという先入観があり、そもそも挑戦しない人/演奏を諦めてしまう人が多い。
【解決すべき理由】ブランドプロミスの実現
「音楽の喜びを、だれにでも平等に届ける」をブランドプロミスに掲げるヤマハは、障がいの有無に関わらず、挑戦する人を後押ししたいと考えていた。また自社には伴奏とペダルが自動追従する「だれでもピアノ®」という技術があり、活用の可能性を見出そうとしていた。
【アイデア】障がいのあるピアニスト/オーケストラ/演奏アシストAIピアノによる「第九」コンサート
「だれでもピアノ®」を本プロジェクト用に発展させ、新たなピアノ技術を開発。”障がいのある3人のピアニストが日本屈指のオーケストラ・合唱団とともに「第九」を合奏する約1時間のコンサートを開催した。実現に向けて、約9ヶ月間に及ぶ練習を実施。テクノロジーに頼りきらず、障がいの段階に応じた”正しい努力”をするというプロセスによって、演奏/合奏が実現可能であるということへの意識づけを行なった。
【リザルト】「演奏アシストAI」はアプリ化1000万台以上のピアノで利用可能予定
障がいがあっても演奏/合奏できるといったNEWSが36カ国710メディアに広がった。そして世界中のステークホルダーからの反響を受け、本技術のアプリ化が決定。
ご担当者の声
「音楽の喜びには、挑戦して克服した先にある成功体験も含まれる。」という方針のもと、練習というプロセスを省略しない(テクノロジーで過剰にサポートしない)ことを心がけました。数々の試練がありましたが、人々の心を震わせる取り組みとして評価いただき、チーム一同嬉しく思っています。
株式会社 電通東日本 野田祐希
評価ポイント
障害者が音楽を楽しむ可能性を広げる取り組みだが、テクノロジーによるサポートにとどまらず、本人自身による練習、努力を必須とする組み立てにしたことにより、多様なステークホルダーに様々な気づきと共感をもたらした。