PR業売上高(2018年度)は推計1,290億円
~前回(2016年度)に比べて27ポイントの伸び~
公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(略称:PRSJ)はこのほど、PR業実態調査を実施いたしました。本調査は、PR業各社の業務傾向などからPR業界の最新の潮流を探るとともに、PR業全体の売上規模を推計(※1)することを目的に隔年で実施しているもので、今回で通算7回目となります。
調査対象社は、PR業とPR関連業の当協会会員社(180社)および非会員社(22社)の合計202社で、71社から回答が得られました。有効回収率は35.1%(前回調査は37.3%)でした。
PR業全体の売上高(2018年度)は推計で約1,290億円となり、前回調査(※2)の約1,016億円を大きく上回る結果となりました。前回から約273億円、約27ポイント伸びており、PR市場が拡大傾向にあることを示しています。
多様化するメディア環境を背景に、企業・団体において広報・PR活動の重要性に対する認識が一層高まっていることがうかがえます。
※1 回答が得られた各社の売上高合計を基に、PR業各社の従業員数(中央値)などを勘案してPR業全体の売上高を推計しています。
※2 調査実施:2017年、対象期:2016年度
PR業実態調査の概要
- 調査対象
公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会の会員企業180社、非会員企業22社
計202社 - 調査方法
郵送法 - 回収率
35.1% - 調査実施時期
2019年 1月~2月 - 調査実施機関
株式会社ハミングバード
PR会社のプロフィール
- PR専業社の平均従業員数は60.7人(前回は44.8人)
ただし小規模会社が多いため中央値では18人 - 従業員の男女構成比は男性46:女性54で、女性比率が男性を上回る傾向が継続
- 管理職における女性比率は平均で9.6%
- 2019年春の予定採用人数は平均で8.5人。前回(3.9人)から倍増
今後の売上動向、景況感
- 59%が売上が増加傾向にあると回答、前回(64%)に比べてやや慎重な見通し
- 現在の景況感は34%(41%)が「よい」と回答。
今後の見通しは、「変わらない・横ばい」が39%(40%)、「現在より悪くなる」は14%(7%)で、景気の先行きについては前回比べ慎重な姿勢がうかがえる
取り扱い業務傾向
PR専業社の取り扱い上位の業務(複数回答)
パブリシティ企画・実施
83%
マスコミ対応
79%
リテナーでのPRコンサルティング業務
78%
記者発表会/PRイベントの企画・運営
76%
モニター・クリッピング作業
75%
情報収集分析
72%
編集タイアップ広告
69%
広報・PR効果測定業務
68%
マーケティングコンサルティング業務
66%
インフルエンサーを活用したソーシャルメディアコミュニケーション
66%
取扱いが増加した業務/伸び率順(複数回答、カッコ内は前回、+は前回比)
インフルエンサーを活用したソーシャルメディアコミュニケーション
66%(53%)
+13%
ヘルスケア・コミュニケーション業務
38%(26%)
12%
会社案内・ウエブサイト制作
63%(53%)
10%
広報・PR業務の重点課題/経営課題
広報・PR業務の重点課題(複数回答)
広報・PR業務を進める上で今後の重点課題は何かについて聞いたところ、「人材育成・確保」「新しい広報・PR手法の開発」「業務そのもの質的向上」が上位を占めている。前回調査と同様の傾向を示している。
人材育成・確保
80%(83%)
新しい広報・PR手法の開発
55%(66%)
業務そのものの質的向上
45%(55%)
優良な協力会社・外注先の確保
44%(34%)
広報・PR効果測定方法の開発
38%(32%)
サービス内容の多様化
38%(40%)
経営の重点課題(複数回答)
売上拡大
65%(66%)
社員のモチベーションアップ
52%(61%)
即戦力の中途採用者の確保
44%(49%)
働き方改革
42%(50%)
経営者の後継者育成
39%(30%)
なお、調査結果の詳細は、添付いたしました「2019年 広報・PR業 実態調査 報告書」をご参照ください。