ゴールド
事業主体:日本マクドナルド株式会社
エントリー会社:株式会社電通
応募部門:コーポレート・コミュニケーション部門
少子高齢化や、働き方への多様なニーズの高まりを受け、これまで「若者の職場」というイメージの強かったマクドナルドが、人事戦略を刷新。同社初の主婦に狙いを定めた採用キャンペーンにより、日本の働き方問題に一石を投じた。
隠れた社会問題。「働きたいのに働けない」女性315万人。
2017年、日本のメディアを席巻した「働き方改革」。連日、多くの記者が、日本のビジネスパーソンの長時間労働を伝え、その実態が社会問題として報じられた。しかし、こうした報道が過熱する一方で、実は日本には「働きたいのに働けない」女性が315万人いるという(総務省調査)。少子化社会を見据え、若者の職場からの脱却をめざすマクドナルドでは、主婦を支援する採用キャンペーン【マックなら、大丈夫】を実施した。
マクドナルドから、日本の主婦への“働き方提案”
「主婦1万人調査」を実施するリクルートジョブズ社とのリレーションにより、職に就けない主婦を実態分析。マクドナルドから主婦たちへの提案として、家事や育児のスキマに働ける『1日2時間勤務』の実現など、<4つの大丈夫>制度を打ち出した。また調査データを通じ、主婦の「働けなさ過ぎ問題」を社会に顕在化させるPRリソースを作成し、自らも女性である人事担当役員が記者会見で発表。メディアや、興味を抱いた主婦たちの受け皿として、実際のお店で試し働きができる[30分体験会]を、全国2,900店のマクドナルドで60日間に渡り毎日開催した。
ひろがる主婦採用の輪。他社報道へと発展。
こうした取り組みの成果として、同社では、主婦の新規採用数が大幅に増加。本キャンペーンを機に、各メディアは主婦の「働けなさ過ぎ問題」を拡大報道し、企業の取り組みを世に問う論調を生み出すことに成功。様々な企業での主婦採用の試みが続々と報じられた。また体験会に訪れた人へのアンケートによると、認知経路の第1位は「テレビ番組での報道」とあり、PRが理解や啓発だけでなく、店舗への送客という行動喚起にも貢献することが改めて裏付けられた。
文・(株)電通 荒木 雅
Voice from STAFF
(株)電通 PRプランニング局 江口順也
1回目の提案で「弱い立場の人が困っていることが可視化されると、社会全体の話題になります」と、お話したことが思い出されます。嬉しいことに、その通りになりました。マクドナルド人事部の皆さまに感謝したいと思います。