ゴールド
事業主体:プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
エントリー会社:株式会社マテリアル
応募カテゴリー:ソーシャルグッド
“あなたらしい髪の美しさを通して、すべての人の前向きな一歩をサポートする”というブランド理念のもと、教育現場に潜む「髪型校則問題」をテーマにしたキャンペーンを展開。社会ムーブメントに発展し、個性が尊重される社会の実現に向けた大きな一歩になった。
パンテーンが取り組むべき課題
日本の教育現場および令和時代の社会において、“ひとりひとりの個性の尊重”が求められる中、地毛であるにもかかわらず髪を黒く染めるよう指導されたり、地毛証明書の提出を求められたりする「髪型校則」が根強く残っていた。それを象徴する出来事として、2017年には、生まれつき茶髪の女子高生が学校からの度重なる黒染め強要に精神的苦痛を受けたことから訴訟を起こして話題になったが、その後も「髪型校則」について見直される機会がないままであった。
そこでパンテーンは、”あなたらしい髪の美しさを通して、すべての人の前向きな一歩をサポートするブランド”として、学生たちひとりひとりの個性を尊重し、自分らしい髪型で学校生活を送れるような社会を目指すべく、「髪型校則」をテーマにしたキャンペーンに取り組んだ。
前向きな課題解決を目指すために
「髪型校則」の実態を正しく把握するため、全国の中高生および現役教師1,000名に『髪型校則への本音調査』を実施。その結果87%の教師が、「時代に合わせて髪型校則も変わっていくべきだと思う」と回答した。また、実際にヒアリングを重ねると、先生側には、生徒とこうした問題について対話する機会をつくるのが難しいという葛藤があることも分かった。
この結果を受けて、社会を舞台に卒業生も含めた学生と先生の対話構造を創出し、“ひとりひとりの個性を前向きに育てていきたい”という想いを「#この髪どうしてダメですか」という#(ハッシュタグ)に込め、キャンペーンを行った。さらに、一過性の問題提起ではなく、社会を舞台に前向きな課題解決をめざせるよう、さまざまなステークホルダーと共に、ポジティブに課題に向き合える状態を逆算しながら、中期的なコミュニケーションプランを設計し、社会で実装させた。
文・株式会社マテリアル 関 航
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株式会社マテリアル 関 航
近年、「社会課題×PR」という枠組みが注目されていますが、本当にパブリックなリレーションを築くためには、「ブランドが取り組む課題に、プロジェクトチームも覚悟を持って臨むこと」が基本だと感じられたプロジェクトでした。