長年にわたり企業や市井で独創的な広報・PR活動を実践し、広く社会や地域あるいは団体の発展に寄与し、奨励に値する成果を収めた個人またはグループを対象とし、選考し、表彰する制度である。

令和5年度(2023年度)
「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 Paix²(ペペ) (女性歌手デュオ)

受賞理由

2000年にデビューした女性歌手デュオで、「受刑者のアイドル」と呼ばれている。2002年から刑務所を回って受刑者に歌を届け、眠っている良心を呼び覚ます活動を続けており、これまでに無報酬で行ってきた「プリズンコンサート」やトークセッションは500回を超える。社会復帰した元受刑者とも継続的につながりを持ってお互いの励みとし、刑務所関係者や自治体などと強い信頼関係のもとで連携するなど、パブリックリレーションズの理念に合致した活動を長年にわたって行っている点が高く評価された。

令和4年度(2022年度)
「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 内閣府承認NPO法人全国てらこやネットワーク

受賞理由

精神科医森下一氏の提唱により、子どもたちが困難な状況におちいらない未然予防の取組みとして2003年に「鎌倉てらこや」がスタートした。
子どもたちの居場所づくりと体験活動の支援を地域全体の取組みとして行っている。
そして、2009年からは「全国てらこやネットワーク」を設立し、鎌倉という一地域だけの活動として終わらせるのではなく、ここで得たノウハウや設立理念を全国に広め、世代や立場を超えた地域のコミュニティづくりを目指した点が評価ポイントとなった。
地域の独自性や多様性に配慮しつつ、子どもたちや若者の相互交流の場の提供、スタッフの育成、各種サポート等、よりよい社会実現に努めている。
今後はさらにその輪を広げ、地域の宝、国の宝である子どもたちを守り、育てる場として、全国にネットワークを発展させていくことを期待したい。

令和3年度(2021年度)
「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 COVID-19 多言語支援プロジェクト

受賞理由

COVID-19発生以来、自国に戻ることのできない多くの在日外国人がコミュニケーションの不安を抱えている中で、多言語支援という課題に対して迅速に対応し、継続的に支援を行っている姿勢がシチズン・オブ・ザ・イヤーとしてふさわしい。

令和2年度(2020年度)
「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 一般社団法人 ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ

受賞理由

多様性を認め合う社会のための気づきを与える活動を継続し、さらにコロナ禍の中でも社会のニーズに対して積極的に新たな取り組みを進めていく姿勢がシチズン・オブ・ザ・イヤーとしてふさわしい。

平成31年・令和元年度(2019年度)
「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 一般社団法人「注文をまちがえる料理店」

受賞理由

注文を取るスタッフがみんな認知症の「注文をまちがえる料理店」はPR、外食、認知症介護など各分野のプロフェッショナルが集まり、プロジェクト化されたレストラン型イベント。世界中に共感の輪が広がり各地でイベントが開催されている。
たとえ間違えても『ま、いいか』と思えるような寛容さを社会が持つことの重要性を多くの人に気づかせ、また、認知症の方やそのサポーターに対しては、働くことの喜びを与え続けている。プロジェクトを継続的な活動とするべく社団法人化され、多様なパートナーとのコラボレーションにより活動の場を広げている。

平成30年度(2018年度) 「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 気まぐれ八百屋 だんだんワンコインこども食堂

受賞理由

家庭事情により、充分な食事をとることができていない子供に「温かいご飯と具沢山のお味噌汁を食べられる場所を地域で作ろう」という思いで2012年から開始した地道な取組みが、クチコミや相次ぐメディア報道のほか著名人による支援などで、全国各地で共感の輪を拡大させている。いずれも各地域住民等による民間発の自発的な取組みながら、この2年で7倍以上の2,200か所を超えて政府も積極的な意義を認めるまでに至っている社会的功績は大きい。

平成29年度(2017年度) 「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 特定非営利活動法人日本ブラインドサッカー協会

受賞理由

ブランドサッカーを通じて、視覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う社会を実現するこという明確なビジョンのもと、16年以上にわたり、視覚障がい者スポーツの「ブラインドサッカー」の普及・定着化のために活動している。活発な情報発信、オープンな情報開示姿勢、コンテンツづくりの多様性など、PRの観点からも学ぶところが大きい。

平成28年度(2016年度) 「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者     くまモン(熊本県マスコットキャラクター)

受賞理由

熊本県が2010年から「くまもとサプライズ」キャンペーンで展開している熊本県PRマスコットキャラクター。
“熊本県の営業部長兼しあわせ部長”で、2011年ゆるキャラグランプリの王者。関連商品の売上は2015年度に1000億円を超えたといわれ、その経済効果からアベノミクスならぬ「くまモミクス」という言葉も生まれた。
先の熊本地震では、復興のシンボルとして精力的に活動を続け、被災者を訪ねてはコミカルな動きで笑いをとりながら支援の輪を広げ、避難生活を送っている人びとを勇気づけた。

平成27年度(2015年度) 「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者    いすみ鉄道株式会社

受賞理由

同社は、千葉県夷隅郡大多喜町に本社を置く、第三セクター方式の鉄道事業会社。
旧国鉄・木原線を第三セクター方式で引き継いだ同社は、長年にわたる赤字経営を余儀なくされた結果、存続の危機を招いていたが、2007年、経営立て直しのために社長の一般公募を実施。当時の社長の辞任に伴い、2009年、社長の再公募に応募したのが現社長の鳥塚 亮氏。
以来、訓練費用自己負担運転士の採用、「ムーミン列車」「伊勢海老特急」「お刺身列車」などの運行、「枕木オーナー制度」「車両オーナー制度」「車両サポーター制度」などユニークなPR戦略で同鉄道の廃業を救うとともに、町おこしにも貢献している。

平成26年度(2014年度) 「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 NPO法人富岡製糸場を愛する会

受賞理由

「富岡製糸場を愛する会」は当時の所有者である片倉工業株式会社が操業をやむなく停止した年の翌年、1988年に誕生した。片倉工業は1987年の操業停止後も工場の維持管理にあたってきた。「愛する会」は富岡製糸場の持つ価値を知るために、わずか数人の学習会からスタートし、製糸場の歴史的文化的に極めて優れた産業遺産であることを学び、その普及に努められた。その長きに亘る熱心な活動が実り、2014年6月の世界遺産登録の原動力となった。国宝指定が答申され、繭から生糸を取り出す繰糸所(そうしじょ)と、東西にある置繭所(おきまゆじょ=繭倉庫)の計3棟が12月10日国宝に指定された。

平成25年度(2013年度) 「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 NPO法人本屋大賞実行委員会

受賞理由

長い出版不況が続く中、本と読者を最も良く知る書店員が一番売りたい本を投票によって選ぶ賞として2004年有志による「本屋大賞」を創設、2005年以降はNPO法人化。2013年で10周年を迎えた。受賞作品はいずれもベストセラーになると同時に、隠れた作家の魅力を発掘することにも役立っている。従来の出版社が売りたい本をPRするやり方から、書店員が「読んで面白い」「お客様に勧めたい」本をPRする「本屋大賞」は出版PRの新しい発想であり、広く国民の支持を得ていることを高く評価する。

平成24年度(2012年度) 「日本PR大賞 シチズン・オブ・ザ・イヤー」

受賞者 大廻 政成氏(財団法人 丸岡町文化振興事業団 常務理事)

受賞理由

今年で20周年を迎える「日本一短い手紙 一筆啓上賞」の仕掛け人。現代の人々に手紙の持つ力を再認識させるとともに、福井県丸岡町を手紙文化のふるさとにした。入選作をまとめた書籍は毎年ベストセラーに名を連ね、外国語にも翻訳。映画やドラマ、舞台としても上演され、世界に多くの感動を届けている。