PR業売上高(2020年度)は推計1,111億円
前回調査(2018年度)から13.8ポイント減少
コロナ禍が各社業績に大きく影響

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(略称:PRSJ)はこのほど、通算8回目となるPR業実態調査を実施いたしました。本調査は、PR会社の企業実態を通じて、各社の業務傾向などからPR業界の最新の潮流を明らかにするとともに、PR業市場全体の売上規模を把握することを目的に、隔年で実施しています。

調査対象社は、PR業とPR関連業の当協会会員企業185社と非会員企業25社の合計210社で、69社から回答が得られました。有効回収率は32.9%(前回調査は35.1%)でした。

PR業全体の売上高(2020年度実績)は推計(※)で約1,111億円となり、前回調査(2018年度実績)時点の約1,290億円を下回る結果となりました。前回から金額で179億円、率で13.8ポイントの減少となり、これまで堅調に成長していたPR業市場が、調査開始以来初めてのマイナス傾向を示しています。広報・PR活動の重要性に対する認識が一層高まっている一方で、コロナ禍による業績への影響が顕著に表れる結果となりました。

※ 自社業績への回答が得られた各社の売上高実績を基に、PR業各社の従業員数(中央値)と一人当たり売上高を算出し、PR業全体の売上高を推計しています。

調査結果の概要は以下のとおりです。

PR業実態調査の概要

  •  調査対象
    公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会の会員企業185社非会員企業25社
    計210社
  • 調査方法
    郵送法
  • 有効回収数
    69社(回収率32.9%)
  • 調査実施時期
    2021年3月2日~3月19日
  • 調査実施機関
    株式会社ハミングバード

PR会社のプロフィール

  • PR会社の平均従業員数は84.7人
    ただし小規模会社が多いため中央値では15.0人
  • 従業員の男女構成比は女性53:男性47で、女性比率が男性を上回る傾向が継続
  • 役員に占める女性比率は32.5%
  • 管理職に占める女性比率は平均で41.0%。従業員19人以下の企業では65.3%
  • 2021年春の予定採用人数は、採用なしが39%、平均値は3.9人

<今後の業績見通し(売上高)>カッコ内は前回調査

  • 今後の売上高を「増える」としているのは49%(59%)、「減る」が20%(9%)、「増える」が50%を切ったのは調査開始以来初めて

<景況感>カッコ内は前回調査

  • 現状の景況感は「よい」が12%(34%)、「よくない」が51%(18%)。長引くコロナ禍の影響が景況感に反映しているものと思われる
  • 今後の景況感の見通しは、「良くなる」が36%(34%)、「悪くなる」は16%(14%)で、コロナ前に実施した前回調査と同様の傾向を示しており、企業経済環境の好転への期待感を感じさせる結果となった

取り扱い業務傾向

広報・PR業務の取り扱い上位トップ10(複数回答)

1.パブリシティ企画・実施

88%

2.マスコミ対応

80%

3.情報収集分析

78%

3.(リアルでの)記者発表会/PRイベントの企画・運営

78%

5.リテナーでのPRコンサルティング業務

77%

6.モニター・クリッピング作業

75%

7.オウンドメディアやソーシャルメディアの企画・運営

73%

8.(オンラインでの)記者発表会/PRイベントの企画・運営

71%

8.(オンラインでの)記者発表会/PRイベントの企画・運営

71%

9.編集タイアップ広告

67%

9.編集タイアップ広告

67%

10.広報・PR効果測定業務

65%

1.社員教育・研修業務

48%(35%)

2.コミュニティ・リレーションズ(地域住民などとの合意形成)

38%(27%)

.ガバメント・リレーションズ

29%(18%)

2.オウンドメディアやソーシャルメディアの企画・運営

73%(62%)

5.動画の制作・プロモーション

61%(54%)

今後、ニーズが増える業務トップ10(複数回答)

1.(オンラインでの)記者発表会/PRイベントの企画・運営

67%

2.動画の制作・プロモーション

65%

3.オウンドメディアやソーシャルメディアの企画・運営

61%

4.(オンラインでの)セミナー・シンポジウムの企画・運営

58%

5.SDGs/ESG投資関連コミュニケーション業務

55%

6.インフルエンサーを活用したコミュニケーション

54%

7.(危機管理関連の)メディアトレーニング

46%

8.危機管理広報(メディアトレーニングを除く)

41%

9.マーケティングコンサルティング業務

38%

9.リスクコンサルティング/クライシスコンサルティング

38%

広報・PR業務の重点課題/経営課題

広報・PR業務の重点課題(複数回答、カッコ内は前回)

1.人材育成・確保

70%(80%)

2.新しい広報・PR手法の開発

65%(55%)

3.オンライン活用による広報・PR手法の推進

58%(新規項目)

4.サービス内容の多様化

51%(38%)

5.優良な協力会社・外注先の確保

45%(44%)

5.他のPR会社や協力会社との業務提携

45%(32%)

経営の重点課題(複数回答、カッコ内は前回)

1.売上拡大

77%(65%)

2.社員のモチベーションアップ

57%(52%)

3.働き方改革

45%(42%)

4.他社との提携

38%(32%)

5.即戦力の中途採用者の確保

33%(44%)

 

対応済み「働き方改革」関連施策トップ3 (カッコ内は対応予定を加えた数字)

1.テレワークの導入

91%(91%)

2.完全フレックス制の導入

61%(68%)

3.出社率目標の設定

57%(64%)

新型コロナウイルスによる影響

2020年度売上高への影響

1.新型コロナウイルスの影響で、大いに減った

44%

2.新型コロナウイルスの影響で、やや減った

35%

3.新型コロナウイルスの影響で、変わらない

10%

4.新型コロナウイルスの影響で、増えた

6%

分野別にみる業務内容への影響(n=50社、複数回答)

1.イベント関連

22社

2.メディア対応、広告

16社

3.観光関連

8社

4.海外関連

5社

なお、調査結果の詳細は、「2021年 広報・PR業 実態調査 報告書」をご参照ください。

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