(協会ニュース2018年10月号より)

現在最前線で活躍中のPRパーソンの女性お二人に、PRSJに参加する魅力や意義、活用法などを現場の目線から忌憚なく語り合ってもらいました。

出席者

(株)オプト
中山智恵さん(以下、中山)

(株)サニーサイドアップ
藤岡裕美子さん(以下、藤岡)


横の繋がりが生まれるPRSJ

-協会とのそもそもの関わりや活動の経緯、今やっていることなどから聞かせてください

中山 記憶が定かでないのですが、2013年ごろから参加してます。退職した上司の代わりに「行っておいで」と言われたのが最初。何も分からず、どうしようと思いましたが、気づいたら国際・交流委員会と「各委員会の情報を引っ張ってくるハブとして」の機能が自分にも役立つと考えて広報委員会の2つの委員会に所属しています。

藤岡 私は一年半ぐらい。うちの会社は協会にあまり顔を出していないので、横のつながりが希薄だったということで、会社の代表としてPR業部会に参加することに。

中山 私は、PRを社内で教えてくれる先輩がおらず、勉強する場所もなく困っていました。そんなときに協会活動があることを教えてもらい、タイミングよく入れていただいた。それからセミナーなどに少しずつ参加するようになって、知り合いも増え、普段出会えないメディアの方にも知り合うことができました。とくに、委員会活動が横のつながりや諸先輩とのつながりができて、いちばんよかったです。協会の魅力ですね。

藤岡 そのとおり。普段ならお目見えもできないような人とお付き合いできますし。

中山 会員には各社の社長さんたちも多くて、最初PR業部会に入ったときには、一般社員クラスがおらず、しかも女性がぽつんと一人で。「いいのかな?」と思いましたよ。

藤岡 皆さん非常に優しいし、ウエルカムな感じ。私は中山さんがいたので本当に心強かった。一人だったらとても不安だったので、女性がどんどん増えてくれると嬉しいです。

中山 やはり横のつながりで集まるのがすごく楽しい。特に「ワイガヤ」(「PR業ワイガヤ会」:若手PRパーソン対象の交流の場)は若手と知り合う機会なので。

藤岡 「ワイガヤ」を通じて、他社の同年代の、入社3~5年目ぐらいの子たちが繋がっていって、輪がどんどん広がっていけばいいな、といつも思っています。

中山 すごく元気で熱量のある子が多いし、話を聞いているとこちらもワクワクして楽しい。彼らが次の時代を作るのだと思えるし、「業界が好き」となれば、どこかしらでさまざまな繋がりが生まれるはず。結果的に協会がその軸にあれば嬉しいです。

藤岡 協会がハブになり、ここに来れば横のつながりが持てるし情報もある、という感じになればみんな来やすくなるのでは?協会はけっこう敷居が高いイメージがあります。私はこんなに気軽に来て良いということを、思っていなかったし知らなかったです。

中山 外で協会について話をすると、「おじ様方が集まってる会なんじゃないの?」とよく言われるんです。「ぜんぜんそんなことはないし、むしろ若手が来たほうが活躍できる」と言うと、「意外だ」という反応。会員の中でも、委員会活動に全く出てきてなかったり、セミナーの存在すら知らない人が結構いますよね。もったいない、こんなに楽しいのに。

若手PRパーソンこそ活用できるタネがたくさん

-若手にオススメのセミナーは?

中山 PR業の若手ならPR業部会主催の「スキル研究会」に来てほしい。無料だし、講師との名刺交換で距離も縮まります。可能なら横に座った人とも名刺交換してほしいです。勉強法を学びに来る、他社のことを知ることができる、横のつながりができる、そして飲みにも行ける、一石三鳥、四鳥の会だから、スキル研はオススメ(笑)。

藤岡 初めてPRアワードの審査会に行ったときにも驚きがありました。

中山 昨年までは最終審査がプレゼンテーションだったので、工夫を凝らした活動内容はもちろん、プレゼンの仕方、あるいはどんな人たちがプロジェクトを動かしたのか目の前で見ることができて、とても面白かったです。

藤岡 同感。すごく若い人が出てきて「こんなに若い人たちがやってらっしゃるのか」と。たぶん若手にはすごく励みになると思う。

藤岡 うちの会社では、PR手帳が本当にバイブルのようになっているんです。一年生で、あれと一緒に寝る、と言う子もいるほど(笑)。メディア担当のグループがテストのようなものをやるのですが、全てはPR手帳が元になっています。それを発行している協会は「神の集まり」ということかもしれない(笑)。

中山 いまのこのネット社会になっても、普段接していないメディアに連絡を取りたいとなれば、PR手帳を引っ張り出します。

藤岡  PRパーソンとして知らなければならないことが手帳には網羅されているから、若手などはそれこそ目を皿にして見てますよ。PR手帳に限らず、協会だからこそ持っている情報がある、ということがもっと広まればよいと思いますね。PRの仕組みや記者クラブの意味合いといったことが「ここに来ればわかる」ならば、若手が仕事に悩んだとき、アーカイブやライブラリを見に行くような感覚で来てくれるのではないでしょうか。そういう役割に期待したいです。

中山 私の場合、協会を通じてメンターのような人が社外にたくさんできたと思ってます。ふと困ったときに、電話やメッセージで「こういうときはどうしたらよいのか?」「こういう人を探している」と相談してます。横のつながりで、メディアや記者とつなげてもらったこともあります。協会に来たことで、人脈やネットワークの広がりがすごく大きくなりました。

藤岡 一言で「PR業」と言っても、各社で得意にしているところ、やろうとしていることは違うことがよくわかりました。「そんなことまでPRの範疇に入るのか」と思ったことも。社内なら共通言語で進んでしまうことでも、違う立場からは別の視点や取り組みがあることが勉強になりました。協会に来てそれがいちばん大きかったですね。

-協会活動に参画するための時間の作り方は難しいですか?その点での工夫は?

中山 私はけっこう自由にさせてもらってます。会社が理解を示してくれてるので。だがそうじゃない会社もけっこうありそうですよね。これを読んでくれてる上司の方々にぜひ言いたいのは、「若手を外に出すという懐の広さをぜひ持っていただきたい」ということ。そのほうが絶対に成長が早まります。

藤岡 業界全体のことについて知ることができますし。

中山 もちろん、「若手だからこそ現場のことを一生懸命やるのが重要」という考え方もあるでしょうが、若いからこそ飛び込みやすいとか、若いからこそバカなことでも何でも聞ける、ということもあります。若さを利用してほしいです。

協会活動の第一歩をぜひ踏み出して

-「こんな人に来てほしい」というのはあります?

中山 若手の女性。

藤岡 むしろ、他人事に思っている人に来てもらいたい。協会は自分には関係ないと思っているPRパーソンに。

協会に来るメリットをもっと打ち出せば、来やすくなるのではないですか?これまで活動に関わってなかったうちの会社から参加し始めるようになって、協会がどういうことをしているのか分かったし、昨年はアワードにも出ました。そうしていると「ワイガヤ」に参加する社員がどんどん増えてきました。その輪を社内外にいっぱい作っていきたいですね。それはやはり第一歩を踏み出さなければわからないことなんです。

-「こんなことができないかな」「こういうものをつくってくれないかな」といった要望は?

藤岡 若手がちょっと悩んだとき、「これ、先輩に聞くのはちょっと…」ということもあるので、そんなときに協会に来て「こういうことで悩んでいるのだが、どうすれば?」とか「原理原則ではどちらなのか」といった“よろず相談”ができるとよいのでは?と思いました。それができたら協会に来そうな気がします。

藤岡 カフェを作ってしまうとか。Wi-Fiフリーで電源もあって、スタバの帰りにPRカフェに行って、そこだと思いっきりパソコンを広げられる。

中山 持込OK!

藤岡 さらに相談したければ人がいる。

中山 それはいい! ワーキングスペースが欲しい、と夢を語ってみました。引越しのときにはぜひ検討を!

-こういうアイディア、発想いいですね。協会に来れば、ライバル同士も関係なく何でも自由に聞ける、という場があればということですね。

藤岡 同感。協会での名刺交換とイベント現場での名刺交換とでは意味が違います。お互いに言えることと言えないこともあるから。例えば中山さんとこうして話をしているから、オプトと聞けば中山さんの顔が浮かぶ。すると会社自体に親近感が生まれ、何かあると「連絡してみよう」という気になります。

中山 「あの人がいるあの会社」、となるとまた違いますよね。

藤岡 PR業部会に来て最も大きいのはそこかな。

-本日はありがとうございました。