公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会
理事長  牧口 征弘

 

平素より協会の活動に関し御協力を賜り、誠にありがとうございます。今年も厳しい暑さが予想される季節となってまいりましたが、何よりも皆様の御健康をお祈り申し上げます。

 

さて、一説によりますと、人類は疫病を克服するたびに強くなり、また進化を重ねてきたのだそうです。今回我々が体験してきたここ数年のパンデミックについて、この説は当てはまるのでしょうか? 様々な考え方があるとは思いますが、私個人としては、確実に強くなり進化したと信じたいところです。

特に、人間同士のコミュニケーションのありようという側面では、進化とまでは言わぬまでも、新しい態様の出現、それに対する適応、はたまた予期せぬトラブルや不具合等々を通過することによって、私たちの種は何かしらの変化を遂げているはずです。

もしそうであるとすれば、コミュニケーションを通じて形成されていくそれぞれの関係性も、同時に変容を遂げているはずです。この点こそまさに、我々パブリックリレーションズに携わる者たちにとって、無視できない点となります。

何故なら、パブリックリレーションズは「より良い関係づくり」をその営為の根底に置いているからです。時代時代に人々の「関係性」が変わるのであれば、それに即して私たちの仕事の存在意義も変わる。これをもって好機ととらえることに、何ら躊躇を覚えるところではありません。

これまで以上にパブリックリレーションズの本領を発揮し、より良い関係づくり、ひいては、より良い社会づくりに貢献する可能性が拡大しつつある瞬間に今を位置づけることができる。そのような確信と共に、この御挨拶文を締めさせて頂きたいと存じます。

 

末筆とはなりましたが、皆様からの引き続きのお力添えを切にお願い申し上げます。

 

令和5年6月吉日