パブリックリレーションズ入門講座2026(4/20-4/22実施)

日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)は、2026年4月20日から22日までの3日間、新任広報担当者のための「パブリックリレーションズ入門講座2026」を開催しました。広報PR業界の第一線で活躍する豪華な講師陣計14名による講義は、新任のPRパーソンが身につけるべき心構えや実践知識など役立つ知見が多く盛り込まれ、会場は連日意欲的な雰囲気に包まれました。
イベントの様子
受講生は、IT、自動車、食品、化粧品、新聞社、PR会社など多種多様な業界から集まり、関西から訪れた参加者も見受けられました。参加者の約9割が広報経験3年未満[優横1.1]で、まさにこれからの広報を担う層が参加しました。全講義を通して活発なQ&Aが行われ、毎講義後には講師への質問や名刺交換のための長い列ができ、受講生の熱心な姿勢が際立っていました。
講座内容
広報PRのプロフェッショナル達が語る、広報のあるべき姿とその役割とは
嶋浩一郎氏(博報堂執行役員)をはじめ、国内大手PR会社のシニアコンサルタント、エバラ食品工業株式会社などの事業会社で広報実務を牽引する責任者、さらには日本経済新聞社やテレビ局の現役デスク、報道現場を熟知した弁護士などが登壇しました。多角的な視点から、広報が持つべきマインドセットや広報業務の基礎・実践まで網羅的に学びました。
広報は、社内と社外を繋ぐ「出島」であれ
講義のテーマは様々でしたが、各登壇者が話した広報が持つべき役割への考えは一致していたように感じました。名古屋和希氏(株式会社ダイヤモンド社)は、広報担当は社内(=島)と社会(=海)の間に位置する「出島」のような存在として、社内と社外の両言語・両視点を持つバイリンガルであるべきだと示しました。自社の製品・サービスをできる限りアピールしたいという社内の思いをどのように社会の視点で言語化するかを考え、同時に社会の空気感を察知し社内に届けるという、社内外への情報の橋渡しが大切であると語られました。
メディアは企業の「宣伝ツール」ではない
もう一つ講師陣が口を揃えて強調していたのは、メディアは記事を載せるための単なる手段ではないということです。実際に、星正道氏(日本経済新聞社)や村野俊氏(テレビ朝日)より、1日に数百通届くプレスリリースから数秒でニュース価値を判断する選定基準について学びました。自分たちが取材してほしいときだけメディアにコミュニケーションするのではなく、共に社会価値を創るためのパートナーとして長期的な信頼関係を構築することが重要だと感じました。
AI・SNS時代に求められる広報戦略とは
AI検索による情報収集やSNSで誰もが情報発信できる現代において、改めて「なぜメディアリレーションズが必要なのか」について問われました。昨今の人々のメディア利用状況を学んだ上で、登坂泰斗氏(株式会社オズマピーアール)は、AIに回答の引用源として「選ばれる」情報発信を心がけるべきであるとし、その具体策について示唆に富む提言がなされました。また、謝罪会見が生配信・拡散される現代に求められる危機管理広報として、鈴木悠介氏(西村あさひ法律事務所)と今井裕希氏(株式会社エイレックス)より、実際の不祥事会見事例を踏まえながら、事前準備や発生時の対応について学びました。
質疑応答
各セッション後の質疑応答では、広報担当者が知っていて役立つ多様な質問が挙げられました。
• 広報予算をかけることに慎重な社内を説得するコツはあるか
• 社会の厳しい目を社内に伝えるために必要な日々の振る舞いとは
• マーケティング部等との職域が曖昧になる中、PRパーソンはどのような視点で社内での議論をリードすべきか
• 「朝活」「家飲み」のような概念が、なぜ単なる流行を超えて社会に定着したのか
• イベント写真での一般人の映り込みに関して、どのような肖像権の配慮が必要か
• 危機発生時、責任者が即座に対応できない初期段階で、どのように対応すればネガティブな印象を最小限に抑えることができるか
懇親会
最終日の講義終了後には、懇親会が開催されました。3日間受講者のほとんどが参加し、講師への熱心な質問や日々の業務の悩みを分かち合う貴重なネットワーキングの機会となりました。同時期に広報PRキャリアを始めた仲間と業界をまたいだ情報交換ができ、大変刺激になりました。参加者からも、「これからの広報PR戦略の方向性が分かった」「社会との接続がいかに大切か分かった」というような声が聞かれました。

まとめ
本講座では、PRの基本概念から具体的な設計、法的リスクまで網羅的に学ぶことができ、非常に多くの学びがありました。これから実務を積む中でも、時折本講義で学んだ広報としてのあるべき姿や考え方に立ち返りたいと感じました。
本講座については、7月よりオンデマンド配信を予定しておりますので、今回ご参加が叶わなかった方は、ぜひご覧ください。
文責:株式会社 井之上パブリックリレーションズ 横溝 優希