「ガイアの夜明け」に夜明けはやってくる

第242回定例研究会(2026年9月28日開催)

2026年9月28日、テレビ東京「ガイアの夜明け」チーフプロデューサー・小林洋達氏をお迎えし、第242回定例研究会を開催しました。『「ガイアの夜明け」に夜明けはやってくる』をテーマに、取材先の選び方や、取材・編集でこだわるポイントなどについてお話しいただきました。

講師略歴

テレビ東京「ガイアの夜明け」チーフプロデューサー
小林洋達(こばやし ひろたつ)氏

1998年テレビ東京入社後、報道一筋。「ワールドビジネスサテライト」、東証・日銀担当記者、「ガイアの夜明け」立ち上げ、北京支局、「カンブリア宮殿」、ニューヨーク支局長などを歴任。2018年から4年間のニューヨーク赴任では新型コロナ禍や大統領選を取材。2025年4月から現職。著書に『鉄人たちの仕事の哲学「モーサテ塾」生きた経済を学ぼう』(かんき出版)。

番組づくりの基本姿勢

「ガイアの夜明け」は、人々の挑戦を後押しする番組。私たちは、成功者の歩みを振り返るのではなく、困難に向き合いながらも、明るい夜明けを目指し、大きな問いに挑む人たちを紹介したい。一方、「カンブリア宮殿」は、成功した人々がどのように成功を収めたのかをトークで掘り下げる番組とのことです。

取材先の選び方・ネタとの出会い

取材先や番組のネタに出合うルートについて、1つ目は、私自身が経済報道に触れること。「WBS」や日本経済新聞などを見て、関心を持った話題があれば、自ら取材交渉をすることもある。2つ目は、過去の取材を通じて知り合った人からの紹介。3つ目は、番組制作チームのプロデューサーやディレクターからの紹介。4つ目は、制作に携わるプロダクション約10社からの紹介。いずれのルートでも、番組企画として検討するには、それぞれが企画書にまとめると説明してくださいました。

ネタからテーマへ――選定の「三本の矢」

出合ったネタを番組のテーマとする際の切り口に「三本の矢」がある。1つ目は「好奇心の問い」、2つ目は「共感の問い」、3つ目は「知性の問い」だ。これらが重なり合うと、より「ガイアらしい」企画になる。今年放送した番組から、それぞれの切り口を以下紹介していただきました。

ケーススタディ:「三本の矢」を番組に生かす

好奇心の問い――紙の本を売る書店は、この先も生き残れるのか
9月11日放送「書店サバイバル~売れない時代に本を売る~」。

共感の問い――株式相場が乱高下するなか、何を基準に投資するのか
8月28日放送「続・株主になる選択肢~あの投資信託の舞台裏~」。

知性の問い――ランサムウェア攻撃によって、企業の現場で何が起きたのか
4月3日放送の「アサヒビールとランサム攻撃~半年後の逆襲~」。

番組内容が深まる条件など

企業と制作側が、取材の意図について理解を共有することが鍵となるとのこと。制作側が企業の内部や関係先に深く入り込んで取材・撮影するには、広報担当者による粘り強い社内調整が欠かせないとのことでした。また、地上波と「テレ東BIZ」それぞれで視聴者層が異なること、番組の冒頭1分で視聴者を惹きつけるよう、編集面で工夫をしていることも教えてくださいました。

質疑応答での主な質問

会場からは、次のような質問が寄せられました。

– 取材テーマとして関心を持っているのは、どのようなことですか。
– 現在、何件程度の企画を検討していますか。また、企画から取材、放送に至るまでの所要時間は。
– 知名度が高くないBtoB企業でも、取材対象になる可能性はありますか。
– 新たなメディアが台頭するなか、「ガイアの夜明け」の強みを、どのように打ち出していこうと考えていますか。

まとめ

明るい“夜明け”を目指す人々の挑戦を、時間をかけて深く掘り下げる

小林プロデューサー曰く、「大きな問いに挑む人たちを紹介したい」。日が昇る前、明るい“夜明け”を目指す人々の挑戦を、時間をかけ深く掘り下げる「ガイアの夜明け」。広報は取材の機会を得た際、経営トップの理解と関与のもと、粘り強い社内調整を行い、制作側との継続的なコミュニケーションを支える体制が欠かせないことも学びました。

文責・電通PRコンサルティング 岡村 誠