Grokにより全てが進化した X の今 Xの「イマ」と、SNS時代の広報PRとは?

開催レポート 2026年7月22日実施

2026年7月22日、「Grokにより全てが進化した X の今」と題したセミナーが開催されました。SNSがいまや広報PRに欠かせないメディアとなる中、その特性やアルゴリズムの変化を正しく把握するための本講座には、株式会社Mirokuの右田清志郎氏と、X Corp. Japan株式会社の竹下洋平氏が登壇しました。猛暑のなか、会場には最新のSNS動向をいち早く掴もうと多くの広報PR担当者が集結しました。明日からのコミュニケーション戦略に直結する、熱気あふれるセッションの模様をレポートします。

講師略歴

右田 清志郎 氏(株式会社Miroku)

オリンピック競技の広報に従事した後、PR会社のマテリアルへ。多岐にわたる業種のPR実務を経て、2025年4月に独立し現在はスポーツマーケティングを軸にPRプランナー(株式会社Miroku)として、PRSJ教育委員としても活動。

竹下 洋平 氏(X Corp. Japan株式会社 Head of Marketing)

日本地域においてのXのマーケティング全般を統括。2009年から2014年まで広告代理店マッキャンエリクソンにてデジタルプランニング、コミュニケーションプランニングを担当。2014年にTwitter Japan入社後、広告営業、リサーチマネージャーとして多岐にわたる業種の業務を担当し現在に至る。

講演のポイント

第1部では、右田氏より「SNSを取り巻く環境の変化とメディアとの関係」について体系的な解説が行われました。かつてのマス・メディアを中心とした時代とは異なり、現在のSNS空間では、アルゴリズムによってユーザーの好む情報が優先して表示されることで、無意識のうちに偏った情報に囲まれてしまう「フィルターバブル現象」が加速しています。

その結果、自分が知っている流行を他人が全く知らないという情報の分断が起きています。特定の個人アカウントが大手メディア以上の影響力を持ち得るカオスな情報環境において、企業はSNSといかに向き合い、ステークホルダーへ発信していくべきなのでしょうか? 右田氏からは、日々のSNSを「生活者の本音が転がる素材の宝庫」として捉え、明日からのPR活動を劇的に変えるための”新しい視点”とマインドセットが提起されました。

第2部では、竹下氏より、AI「Grok」の実装によって劇的な進化を遂げた現在のXについて解説が行われました。現在のXは単なる情報発信ツールにとどまらず、地球規模で人々のリアルな声が集まる場としても機能しています。高精度な自動翻訳機能がもたらす国境を越えたフラットな交流や、ネットスラングの背景にあるユーザーの「本音」を一瞬で読み解くGrokの機能が紹介されました。

続いて話題は、検索エンジンではなくAIに直接答えを求める「ゼロクリック時代」における企業発信のあり方へと展開しました。AIの回答ソースとして選ばれるためには、オンライン上に自社に関する会話や言及などの有益な「ログ」を蓄積していくことが不可欠です。竹下氏は、X上の本音に寄り添うコミュニケーションが、いかにして共感を呼び、良質な「ログ」になるのかを解説しました。核心に迫る具体的な施策事例は、まさに会場限定の貴重な学びとなりました。

質疑応答

講演後の質疑応答では、参加者から「非公開のアルゴリズムに対し、企業はどう向き合うべきか?」「AIの回答ソースとして自社ブランドを出すための価値基準は?」「エンゲージメントを誘発する投稿への規制と、企業アカウントへの影響は?」「災害時の情報表示の仕組みは?」など、最前線でSNSを運用する担当者ならではの鋭い質問が次々と寄せられました。

まとめ

今回の講座は、「SNSをどう運用するか」という次元の話ではなく、「AI時代に企業はどう社会と対話していくべきか」というPRの根幹に関わる深い気づきを与えてくれました。日本でのX利用者が2人に1人となった今、Xはもはや情報を一方的に届けるツールではなく、生活者のリアルな本音を傾聴し、社会と言語を超えて対話するための重要なインフラです。
AIに答えを求める「ゼロクリック時代」において、このX上での対話はどのような意味を持つのか。企業が残すべき有益な「ログ」とは一体何なのか。社会と対話しながらその「ログ」を自然と蓄積していくための具体的なアプローチについて、明日からの実務にすぐ活かせるヒントが詰まった熱気あふれる講座となりました。

文責:株式会社 井之上パブリックリレーションズ 近田絵梨子