事業主体:BURGER KING JAPAN(ビーケージャパンホールディングス)
エントリー会社:ザ・プロデュース合同会社/株式会社DE/株式会社アンティル/株式会社sfrth
企業の出店課題を生活者と共有し、解決そのものを共創型プロジェクトへ転換した取り組み。物件探しという本来は非公開の業務を社会に開き、お客様を「参加者」ではなく「共創パートナー」と位置づけることで、応募78,000件超・実出店12店舗という事業成果とブランド信頼の向上を同時に実現した。

出店拡大の壁は「物件が見つからない」こと
国内での店舗拡大を加速させる中、最大の障壁となっていたのは出店候補物件の探索であった。顧客からは「近くに出店してほしい」という声が日常的に寄せられていた一方、企業側は人的リソースが足りず物件情報収集に限界があり、スピード感ある出店が難しいという構造課題を抱えていた。この「需要はあるのに場所が見つけられない」という非対称を解決するため、企業内部の課題をあえて社会に開示するという発想に至った。

「探す側」を顧客に変える逆転の発想
本施策では、物件探索という通常は企業が担う業務を、生活者参加型のプロジェクトへ転換した。全国の顧客から空き物件情報を募集し、出店実現に至った場合には報奨を提供する仕組みを構築。単なる情報提供依頼ではなく、「自分の街に店舗をつくる」という参加意義を明確に設計した。顧客は消費者ではなく、地域の未来を共につくる当事者となった。

生活者参加を促す体験設計と情報導線

特設サイト、アニメーション動画、SNS発信を連動させ、誰でも簡単に参加できる導線を整備した。「応募すること自体が楽しい体験」となるよう設計し、UGC(ユーザー投稿)を自然発生させることで広告に頼らない情報波及を実現した。企業の課題をユーモアと透明性をもって提示することで、参加ハードルを下げ、共感を行動へと転換した。
応募78,000件が示した社会的共鳴
結果として全国から78,000件を超える応募が集まり、単なるキャンペーンを超えた社会的参加プロジェクトへ発展した。応募データは地理的ニーズの可視化にも活用され、出店戦略の精度向上という実務的価値を生んだ。顧客の声は「意見」ではなく、「事業判断に資するデータ」として機能したのである。
実際の出店という「成果の可視化」
応募情報を精査し、最終的に12店舗で新規出店が実現した。これはPR施策が話題化に留まらず、事業成果へ直結したことを示している。開業という具体的な結果を社会に示すことで、プロジェクトの透明性と信頼性を担保し、企業と生活者の関係性を一段深化させた。

PRを「共創のインフラ」として機能させた
本取り組みの本質は、情報発信ではなく関係構築である。企業が課題を共有し、生活者が解決に関与し、その成果が社会に還元される、この循環を設計した点において、PRを事業成長の推進装置として再定義した。
従来の「知らせるPR」から「共につくるPR」への転換を象徴した。
審査委員 評価ポイント
顧客に物件を探してもらう、というアイデアがまずユニークですが、顧客の間に「地元」という空間を取り込み、関係性を広げている点が印象的です。マーケティングをしっかり押さえつつ、顧客の生活基盤をうまく取り入れ、ローカリティを生かした関係性をデザインしているところが、とてもPRらしいアプローチになっています。
受賞者コメント
栄誉ある賞をいただけて大変嬉しく思います。クライアントであるバーガーキング様とは2019年から現在までのPR効果の最大化を目指して取り組ませていただいております。今後もPRの成果を積み上げ、PRでバーガーキングの成長のサポートができれば嬉しく思います。
株式会社アンティル PRコンサルタント 西田織絵