人生100年時代をどう生きるか 介護施設のシニア1万人と紡ぐ「Beサポーターズ!」の幸せな物語

事業主体:サントリーウエルネス株式会社
エントリー会社:サントリーウエルネス株式会社

Beサポーターズ!は、介護施設の高齢者や認知症の方など周囲に「支えられる」場面の多い方が、Jリーグの地元クラブの“サポーター”となることで「支える」存在となり、心身ともに元気になることをめざす活動。サントリーウエルネスが2020年12月から開始した。

長生きに対するネガティブなイメージをひっくり返したい

高齢化の一途を辿る日本では、多くの人が人生100年を生きられる時代となった。しかし、「認知症になったらおしまい」「施設に入ったらおしまい」など、いつかは心身の不を抱え得る“長生き”に対してネガティブなイメージを抱く人は多い。「100歳まで生きたい」と思う人は3割弱という調査もある。Beサポーターズ!は、そうした世の中の価値観をひっくり返し、人生100年時代を希望で溢れるものにしたいとの想いから始まった。

Jクラブが地域の高齢者施設から応援メッセージを集めて横断幕を制作する“人生の先輩からのエール”

当初は富山の1施設で数十名が参加する小さな活動だったが、そこで繰り広げられた熱狂的な応援が話題となり、2021年からはJリーグとパートナーシップを組んで全国に拡大。「いくつになってもワクワクしたい、すべての人へ」というコンセプトのもと、全国のシニア、施設職員、Jクラブ、サポーター、介護・医療の専門家、行政など様々なステークホルダーとともに活動を広げていった。2024年には参加者は全国約230施設・延べ1万人超に拡大した。

“サポーターになろう”というシンプルなアクションから広がる影響

Beサポーターズ!は“サポーターになろう”というシンプルなアクションだが、それだけでシニアの心と身体が動きだし、施設職員や選手など周囲にポジティブな影響が広がった。「お年寄りは相撲か野球しか見ない」と言われていた中で生まれたそうした変化には、多くの驚きの声があがった。
また、活動を続けていくうちに、認知症の状態にあるシニアに数々の心揺さぶる物語が生まれた。例えば、107歳でサポーターデビューし、選手たちに「命つきるときまでサッカーを楽しみなさい」とエールを送った女性や、“推し”の選手を応援するためにスペイン語を学び始めた80代女性、また、“推し”の選手を追いかけて、神戸から移籍先の鹿児島まで施設職員とともに旅をした80代女性の物語は、多くのメディアに注目された。

“推し”の選手に合うために、神戸から鹿児島まで旅をした80代女性

Beサポ!参加者を対象にした研究で幸福への理解を深める

こうしたシニアに起きた様々な変化を踏まえ、”推し活”と幸福度の関係性を科学的に明らかにするため、2023年からサントリーウエルネス生命科学研究所が京都大学・大阪公立大学と共同で研究を開始した。これにより、応援を通じて“つながり”の質と量が豊かになることがシニアの幸福度に影響していることが示され、2024年11月には日本認知症学会で発表。2025年はさらに施設内の位置情報を記録するビーコンや、シニアの活動量を図るウェアラブルデバイスを活用するなどして、研究を深化させている。

健康寿命だけではなく“幸福寿命”を延ばすという社会文脈

Beサポーターズ!では、シニアの“ウェルビーイング”“推し活”という社会的な注目ワードに加えて、“幸福寿命”という新しい社会文脈を打ち出した。“幸福寿命”とは、「身体的な状態に関わらず、本人が幸福を感じながら生活できる期間」のことで、“健康寿命”だけではなく、今後社会が目を向けるべき価値観と考えた。それが多くのメディア露出や、ステークホルダーからの共感につながっていった。

Beサポーターズ!で生まれた心揺さぶる物語を表彰する“人生100年時代の物語大賞”

サントリーウエルネスは、多くのシニアのお客様を顧客基盤として持ち、全社員が人生100年時代の幸せな生き方に向き合う機会が多い。サントリーグループには「『人間の生命の輝き』をめざす。」というパーパスがあるが、Beサポーターズ!は人生100年時代の「人間の生命の輝き」を体現する活動と考えている。今後もPRの力を活かし、様々なステークホルダーと手を取り合い、それぞれの立場からの”幸福寿命“を発信する場や仕組みを作ることで、そうした価値観をさらに広く世の中に届けていきたい。

審査委員 評価ポイント

支援される側を、支援する側へ。応援の価値拡張と幸福寿命。
シンプルで強いPRコアアイデアと中長期のシナリオ設計が融合した、美しいPRデザインが光る取り組みです。
数年に渡って続けてきたからこその情報の深みと説得力があり、人生100年時代に生きることの意味や、企業がデザインする社会インパクトを考えさせられる好例でした。

受賞者コメント

暗いニュースばかりが注目される人生100年時代を、どう幸せに生きるのか。そんな壮大なテーマを世の中に問いかけるため、手探りながらも4年以上この活動を続けてきました。私たちがこだわったのは、世の中への発信にPRという手段を使うことです。一方通行の情報発信ではなく、様々なステークホルダーと共に考え、活動を創り出すことができたのはPRのパワーだと思います。名誉ある賞をいただけたことを心より誇りに思います。

サントリーウエルネス株式会社