シルバー

事業主体:オリィ研究所
エントリー会社:株式会社ADK クリエイティブ・ワン/株式会社サニーサイドアップ
応募カテゴリー:ソーシャルグッド


「人類の孤独の解消」をミッションとするオリィ研究所。そして、孤独の解消のために生まれたのが分身ロボットのOriHimeとOriHime-Dだ。この分身ロボットを、重度障害者などの外出困難な方がもう一つの体として遠隔で操作し、店員として働く場が分身ロボットカフェである。

たとえ寝たきりになっても働ける社会を目指して

2018年に第一回が行われた分身ロボットカフェ。外出困難な方が自宅や病院のベッドから視線入力などで分身ロボットを遠隔で操作し、接客するカフェだ。2019年にはゴールを障害者雇用の社会実装、ターゲットを企業の採用担当者に設定。日本の肢体障害者の就職率が5%に止まる現状を改善したいと考えた。
そのために、このカフェをもっと世の中が応援したくなる取り組みにする。その戦略が「脱・他人事感」であった。障害者支援は、ともすれば善意に満ちた他人事だ。しかし、将来誰もが寝たきりになる可能性があること、たとえ寝たきりになっても働ける社会を目指して継続的な取り組みをしていることの2つを訴えることで解決した。そして社会の意識を変えていった。
働きたい障害者がいること。障害者の方が、テクノロジーを使って働けること。おそらく多くの方が、「障害者は手を差し伸べる存在」だと認識しているのではないだろうか?ところが、働いて社会の役に立ちたい、と感じている方もいらっしゃるのだ。

働く喜びが社会を変えていく

2018年は障害者がOriHimeで接客するという目新しさからメディア露出を獲得したが、2019年はOriHimeを利用する人の物語でPRを行った。オリィ研究所では、分身ロボットを操作する方を“パイロット”と呼ぶ。2019年は30人のパイロットがカフェで働いたが、彼らの働く喜びが伝播した結果、来場者の88. 3%が「自分が外出困難になったら、分身ロボットで働きたい」と答えた。さらに、働いた30人のうち10人が企業に就職。日本の肢体障害者の就職率を遥かに上回った。パイロットは現在、食品などの販売や、自治体や企業の受付業務など、様々な仕事で活躍している。
たとえ寝たきりになっても働ける社会。人生100年時代を迎えた日本にとっての希望は、いま確かに実現しつつある。分身ロボットカフェの今後に、期待していただきたい。


Voice from STAFF

(株)ADKクリエイティブ・ワン 印南智史
(株)サニーサイドアップ 内田雅哉

社会課題の解決にPRとして関われることを光栄に思います。今まで以上に多くの人が参加できる、多様な社会づくりをクライアントと一緒に続けていきたいです。