SNS×PRの突破口:生活者を動かす“話題化設計”とは

―バズを成果へ変換する、AI時代の実践フレームを読み解く―

2025年12月3日、「バズからヒトを動かし、ブランド価値をあげるSNS戦略」をテーマに、株式会社オズマピーアール 統合コミュニケーション戦略部1部 部長・登坂泰斗氏を講師とした講座が開催されました。
本講座では、SNSを起点とした話題を一過性で終わらせることなく、メディア露出や生活者の行動につなげるための考え方について、実際の事例を交えながら解説されました。
また生成AIの普及によって大きく変化する情報環境の中で、PRとSNSを組み合わせ、話題を行動や企業の成果へと導くための設計を学ぶ機会となりました。

登壇者略歴

株式会社 オズマピーアール 統合コミュニケーション戦略部1部 部長 
登坂泰斗(とさか たいと)氏

ファッション系広告代理店を経て2013年にオズマピーアール入社。
外食・商業施設・日雑品などをメインに戦略PRの立案からPRコンテンツの企画開発を手がける。東京大学との産学連携でPR・広告効果測定の研究も推進。
PR起点で、CMからアクティベーション、販促までを一気通貫で行える統合コミュニケーション戦略部を立ち上げ、戦略立案からクリエイティブディレクションまでを幅広く行う。
2025年度 ACC賞PR部門審査員。

話題は偶然ではなく「成果までを見据えて設計する」

登坂氏は冒頭、「話題は偶然に生まれるものではなく、設計できるものだ」と語りました。SNSやWebメディア、検索、AIなど、生活者の情報接触が多層化する現在、SNSの単発投稿だけで成果を上げることは難しくなっています。そのため、SNS初動からメディア露出、さらには行動変容までを一連の流れとして捉えた事前設計が不可欠であると説明されました。特にSNSでは投稿後の最初の数時間が重要で、この初動で「情報の山」をつくれるかどうかが、その後の拡散や報道につながるかを左右するといいます。

生活者視点と情報循環が、話題を成果へと変える

もう一つのポイントとして示されたのが、「生活者の感情」と「社会的文脈」を結びつけるオズマピーアールの”社会デザイン発想”視点です。生活者の共感を起点に、社会的な意味づけを加えることで、SNSやメディアで語られやすい必然性 が生まれると語られました。また、生成AI時代においては、PR TIMESなどのプレスリリース配信サービスやnoteなどに一次情報を残す「情報のストック」と、SNSとメディアを行き来するチャネル間の循環が重要になるといいます。こうした設計によって、話題は一過性に終わらず、行動や企業の成果として可視化されていくと説明されました。

質疑応答(テーマ抜粋)

・SNS初動で話題の“山”をつくるために、どのような準備が必要か。
・生成AIの普及後、オウンドメディアはどのように情報をストックすべきか。
・ターゲットを“トライブ”で捉える際の実務的な考え方は何か。
・インフルエンサー活用における“量”と“質”の使い分け方はどう考えるべきか。 など

取材後記

講座内で語られた具体的なプロセスや考え方は、本記事では書き尽くせないほど実務に直結する内容ばかりで、実際の現場経験に基づいたヒントが随所に盛り込まれた、非常に密度の高い学びの場でした。
そうした内容を通じて、SNSとPRを連動させた話題化は単なる拡散ではなく、「成果までを見据えた設計」によって初めて成立するものであることをあらためて理解しました。生活者の感情に触れる視点、社会的文脈との接続、AI時代における情報のストック、そしてチャネル間の連動——これらが揃ってこそ、話題は一過性に終わらず、行動へ、さらには企業の成果として可視化されていくのだと感じます。

文責:株式会社サニーサイドアップ 古東勇祐