ミャクミャクとグリーンバードが登壇した日本PR大賞表彰式

新春PRフォーラム 開催レポート:2026年1月23日実施

公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)は、2026年1月23日、新春PRフォーラム2026を開催しました。

本フォーラムでは、山口理事長による年頭挨拶ならびに、日本PR大賞「2025年度パーソン・オブ・ザ・イヤー」「2025年度シチズン・オブ・ザ・イヤー」の表彰式が行われました。当日はPRSJ会員をはじめ多くの関係者が参加し、盛会のうちに終了しました。本稿では、その模様をご紹介いたします。

理事長挨拶「予測不可能な時代における“信頼”と“対話”の重要性」

新春PRフォーラム2026の開会にあたり、PRSJ理事長の山口恭正氏が登壇し、年頭の挨拶を行いました。山口理事長は、2025年を「生成AIの活用が大きく進んだ一年」と振り返る一方で、ハルシネーションやフェイクニュースなど、情報の信頼性を揺るがす課題も顕在化したと指摘。国内外で予測不可能な出来事が続く時代においてこそ、「信頼」や「対話」、そして社会の声を傾聴し課題解決へつなげる「双方向」のパブリックリレーションズの重要性が増していると述べました。

また、リアルの場で熱量を伴うコミュニケーションを重ねる意義にも触れ、会場に集う参加者へメッセージを送りました。この山口理事長の挨拶に続いて、日本PR大賞「2025年度パーソン・オブ・ザ・イヤー」および「2025年度シチズン・オブ・ザ・イヤー」の発表と表彰式が執り行われました。

「2025年度パーソン・オブ・ザ・イヤー」は、大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」が受賞

表彰式ではまず、日本PR大賞「2025年度パーソン・オブ・ザ・イヤー」として、大阪・関西万博公式キャラクター「ミャクミャク」の受賞が発表されました。司会からは、万博の公式キャラクターとして多くの人々に親しまれ、万博を身近な存在として感じさせる役割を果たしたこと、閉幕を惜しむ声の中でも前向きなメッセージを発信し続けた姿勢が、世論形成やパブリックリレーションズの観点から高く評価されたことが紹介されました。表彰状は山口理事長より授与され、「国民的に愛される存在として万博の盛り上がりに貢献したこと」「一貫して前向きなメッセージ発信に努めたこと」などが称えられました。

受賞者挨拶「逆風から“愛される存在”へ」

受賞を受けて、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 副事務総長の高科淳氏が登壇し、謝辞を述べました。冒頭では「ミャクミャクはパーソンなのか」という問いに触れ、会場の空気を和ませつつ、万博が多くの来場者を迎えられたことへの感謝を語りました。あわせて、登場当初は「怖い」「気持ち悪い」といった否定的な反応もあったものの、活動を重ねる中で次第に魅力が受け入れられ、愛される存在へと変化していった過程が語られました。

全国各地を訪れ、万博への関心をつなぎ留めてきた「孤軍奮闘」の歩みが、結果として大きな盛り上がりにつながったという振り返りは、PR活動における継続性と接点づくりの重要性を改めて示す内容となりました。続くインタビューでは、ミャクミャク自身も登壇し、万博期間中に世界中の人々と出会い交流できたこと、会場での体験や思い出が「宝物」であることを語りました。万博後も全国各地で人々と交流し、思い出を共有していきたいとの言葉で締めくくられ、会場から温かな拍手が送られました。

「2025年度シチズン・オブ・ザ・イヤー」は、特定非営利活動法人「green bird」が受賞

続いて、日本PR大賞「2025年度シチズン・オブ・ザ・イヤー」として、特定非営利活動法人green birdが表彰されました。司会からは、2003年の設立以来、「誰でも、気軽に、楽しく参加できる」清掃活動を起点に、世代や立場を超えたつながりを生み出し、社会全体を巻き込むムーブメントへ発展させてきた点が紹介されました。また、単なる環境美化に留まらず、清掃活動を「街を誇る文化」へ転換してきたこと、SNSで発信しやすい仕組みづくりや企業との協働など、PRの視点からも理想的なパブリックリレーションズ活動を実践してきた点が高く評価されたことが、受賞理由として述べられました。山口理事長から表彰状が授与された後、関係者によるフォトセッションが行われました。

受賞者挨拶「ゴミ拾いを“カルチャー”に変える発想と仕組み」

受賞挨拶では、green bird代表の福田圭祐氏が登壇し、活動の原点と広がりについて語りました。2002年に原宿から始まった活動は、「地味で義務的」なイメージの強かったゴミ拾いを、より楽しく、参加しやすいものへ変えていく挑戦だったといいます。特に印象的だったのは、「ゴミ拾いを新しいカルチャーにする」ための工夫です。スポーツで使用するビブスをあえて清掃活動で取り入れ、「街に現れる緑の集団」として視覚的なインパクトを生み出したことや、可燃・不燃の担当者を分けることで参加者同士の「交換」が生まれるよう設計した点など、行動そのものをデザインしてきた姿勢が紹介されました。

また、会員制にしない、拘束時間を短くするなど「できる限り」のスタンスで継続のハードルを下げ、多様な人が自然に交われる場を築いてきたことが、長年にわたる活動の継続を支えていることが伝わりました。
最後には、「1人の100歩より100人の1歩」という言葉とともに、小さな1歩の積み重ねが社会を動かす力になるというメッセージが共有され、会場に強い余韻を残しました。

(補足)日本PR大賞について

日本PR大賞は、「パーソン・オブ・ザ・イヤー」としてパブリックインタレスト(公益)に貢献し、かつ話題性、発信力の高さや共感の醸成など、パブリックリレーションズの視点から、この年に最もPRパーソンとして活躍した人を、また「シチズン・オブ・ザ・イヤー」には、持続的に社会や地域の発展に寄与する活動を行い、独創的な広報・PR活動を実践することで、奨励に値する成果を収めた個人またはグループを対象に表彰するものです。

取材後記

今回の表彰式は、万博という国家的イベントを「身近な体験」へ転換したキャラクターの力と、日常の行動を「参加したくなる文化」へと育んできた市民活動の力という、対照的な2つの受賞が、それぞれの価値をより鮮明に伝える構成となりました。両者に共通していたのは、接点を増やし、対話を生み、前向きな感情の連鎖を広げていくための「継続」と「仕組み化」でした。不確実性が高まり、情報の信頼性が問われる時代だからこそ、社会との関係を丁寧に築き続けるPRの本質が、あらためて浮き彫りになった表彰式であったといえるでしょう。

文責:(株)井之上パブリックリレーションズ 関寛之