ヒットの裏側に「広報の勝機」あり!日経MJ編集長が明かす、番付選出の評価軸と2026年の潮流

開催レポート:2026年3月11日実施

日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)は2026年3月11日、「日経MJヒット商品番付の舞台裏」と題し、日経MJ編集長・永井伸雄氏を講師に迎えた講演会を開催しました。1971年から続く歴史ある「日経MJヒット商品番付」の選考を担う“中の人”の視点から、広報・PR担当者が今、最も知っておくべき「ヒットの本質」と「2026年のトレンド予測」について、ユーモアを交えつつ共有いただきました。

講師略歴

日経MJ 編集長・永井 伸雄(ながい のぶお)氏

1993年日本経済新聞社入社。東京整理部を振り出しに、証券部、横浜支局、流通経済部、「日経トレンディ」出向後、消費産業部、大阪経済部、企業報道部を経て日経MJ副編集長、2020年札幌支社。編集部長、2022年4月から現職

半世紀続く「番付」の裏側。番付選定における「究極の判断基準」

前半では、日経MJヒット商品番付の歴史とともに、その選定プロセスが紹介されました。消費動向や世相、生活者心理までを総合的に判断する中で、ヒットの規模や話題性、新規性に加え、永井氏が最も強く意識しているのは「時代感」でした。

「5年後、10年後に振り返った時、その年はどんな年だったと言えるか。」

選考会議では、あえて「おじさんの意見」を排し、若手のアイデアや直感を尊重する独自の文化があると言います。広報担当者が自社商品を番付に載せるために、情報の「行間」に何を込めるべきか。永井氏からは、編集長ならではの具体的なエピソードが語られ、参加者は自社商品に置き換えながら熱心に耳を傾けていました。

2026年を読み解く「トレンド予測」と広報戦略への接続

後半は、昨今のヒット事例を分析しつつ、「2026年のトレンド予測」へと話題が移りました。

価値観が激変する昨今において、広報担当者が「トレンドを創る側」へ回るためのヒントが、具体的な事例とともに多数提示されました。大谷翔平選手の事例を引いて語られたPRにとって最も重要な「伝える」のではなく「伝わる」ための極意は、広報PR戦略立案を行ううえで極めて重要な示唆に富んでいました。

質疑応答

講演後の質疑応答では、いまこの場でしか聞けないメディアリレーションズの核心に触れる質問が予定の時間まで途切れることなく続きました。

  • 日経優秀製品・サービス賞とヒット商品番付の違いは?
  • 日経MJ編集部内でのAIの活用と現場との乖離についてどう考えるか。
  • 広報担当者として、自社商品・サービスを、日経MJ(メディア)へアピールを行うタイミングやアプローチはどうすべきか
  • 日経MJ(および永井編集長)が、注目している業界や、日経MJの新たな取り組みは?
  • 日経MJの現場記者から、永井編集長(デスク)へトレンドの発見や企画の提案方法は?
  • 地方の企業や団体から日経MJへのネタの持ち込みで決め手となるポイントは?
  • 番付会議のタイミングは?

取材後記

今回の講座で特に印象的に感じたのは、永井氏の「ヒットは狙うものではなく、社会との誠実なコミュニケーションの結果」という姿勢でした。

どれだけ手法がデジタル化しても、最後にモノを言うのは「なぜ今、これが世の中に必要なのか」という熱量のあるストーリーです 。番付の舞台裏を知ることは、メディア側の思考を学ぶと同時に、扱う商材を社会という大きな文脈の中でどう位置づけるかを再定義する大変貴重な機会となりました。

PRSJでは、今後も業界の第一線で活躍される識者の方々からここではお伝えしきれない臨場感に溢れた貴重なお話を共有いただく機会を設けています。次回はぜひ、会場でしか得られない登壇者の熱量をご体感ください。

文責:株式会社 井之上パブリックリレーションズ 櫛山 直嗣