事業主体:クラシエ薬品株式会社
エントリー会社:株式会社博報堂

ダイバーシティ社会における「やさしさ=利他性」をテーマに “新発売した” PRコンテンツが、
様々なプレイヤーを巻き込み、売り切れ続出の大人気に。周年を契機に、漢方という “とっつきにくい” ロングセラー医薬品ブランドと生活者の接点が、WEBや量販店、本屋など、様々に拡大した。
漢方という医薬品ブランドを “機能性” ではなく “社会性” で定義し直し、価値化する
そもそも、漢方という医薬品と若年女性の距離は遠い。そのうえ、解決できる症状も多岐に渡るため、明確に機能的ベネフィットを定義しづらく、社会と合意形成を図る接点が不明瞭だった。また、漢方は、薬事的規制によって商品販路がドラッグストアなどに限定されており、生活者とブランドの接点に制約があることも大きな課題であった。
漢方セラピー商品をパロディ化したカードゲーム「人にやさしくなるゲーム」を新発売
ダイバーシティ&インクルージョン社会にむけた女性の生きづらさを解消するという社会における大義の下、ブランドらしさを定義し直すことで「漢方」に対する仲間を次々と巻き込む戦略を立案。そして、多様な体の悩みをかかえながらも人に打ち明けられず、生きづらさをかかえる人達が、もっと体のことをオープンに話し合い、様々な人と支え合うことができる社会にむけたアクションを実施することになった。
漢方ならでは※の「自分らしさ」と「他人らしさ」を大切にする処方への理解と共感を醸成するために、商品パッケージデザインをそのままパロディ化したカードゲームを新発売。社会発想でコンテンツ化することで、一方的に押し付けるのではなく、ゲーム制作会社、販路、インフルエンサー、活用してくれる場など、様々なレイヤーで仲間を巻き込むことに成功した。

ドラッグストア限定だったブランドと生活者の接点が、WEBや量販店、本屋、百貨店まで様々に拡大
やさしさをテーマにした、カードゲーム業界における新規性と意外性。また、その社会的な意義に共感した様々なメディアでの露出を獲得した結果、百貨店にまで販路が広がった。さらに、その意義に賛同したNPO団体、学生向け研修をはじめとした様々な場でも活用されている。
※西洋医学と異なり、様々な生薬の組み合わせによって、その人の体質に適した体の症状に対応できること。

VOICE FROM STAFF
株式会社博報堂 PRディレクター 村山 駿
本質的なブランドの仲間をつくることで、周年という企業都合になりがちなコミュニケーションを、小さいけれど社会を良くするキッカケにできたことをとてもうれしく思います。