PRアワード2026攻略セミナー開催レポート 2026年8月6日実施

日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)は、2026年8月6日、「PRアワード2026 攻略セミナー」を開催し、エントリーシートの書き方を中心とした審査のポイントを解説しました。今年度のPRアワードの審査方針は、「Wise Braveryが社会を動かす」です。この「Wise Bravery (賢明な勇敢さ)」とは何かを読み解くと、どのような視点で応募の準備をすべきかが見えてきます。
セミナーでは、今年度の審査員を務める田上智子氏、木村友輔氏、橋本良輔氏の3名が登壇しました。
登壇者紹介
- 審査委員長:田上 智子 氏(株式会社シナジア)
- 審査委員:木村 友輔 氏(株式会社博報堂)
- 審査委員:橋本 良輔 氏(株式会社電通PRコンサルティング)
講演内容
PRアワードの本質とエントリーシートの重要性
PRアワードにおいて評価されるのは、単なる露出量や貢献した売上規模ではありません。「組織や企業がステークホルダーや社会との合意形成を図り、健全な価値観の醸成に貢献できたかどうか」というパブリックリレーションズの本質が焦点となります。審査員はエントリーシートを「当事者の代弁者」と捉え、すべての応募作品を一つずつ徹底的に議論し、審査します。応募作品に業界・業種は問われませんが、社会がより良くなるための礎をいかに築けたか、そのストーリーをエントリーシートで丁寧に表現することが重要です。
今年度の審査方針:「Wise Bravery」が示すもの
「Wise Bravery」とは、単なる大胆さではなく、リスクを見極めた上での緻密な戦略設計(Wise)と、そこから果実として生まれる勇気(Bravery)を意味します。課題の解決に向け、ステークホルダー選定・タイミング・アクションを戦略的に計画・実行し、時には反発も受け止め自己修正しながら複数のステークホルダーと対話できたか。こうしたプロセスが、社会に良い変化をもたらすと考えられています。単なる数値的な成果の大きさではなく、一貫したロジックと当事者の熱量や巻き込み力の融合こそがこのPRアワードで伝えるべき真髄です。
実際に、昨年度グランプリの「能登半島地震のリアルタイム広報」は、活動全体をつなぐストーリーの分かりやすさをはじめ、「命を守る広報活動」を高次元で達成したこと、また将来に向けた取り組みやコミットメントなど、圧倒的な総合力が評価されていました。また、ゴールドを受賞した「金竜のしっぽ」は、対立や分断が起きかねない難局をユーモアや物語で融和させた「笑いの合意形成」、大阪らしい地域インサイトに根ざした逆転の発想、そして担当者の情熱と強い推進力が認められたものです。
質疑応答
質疑応答では、参加者から寄せられた質問に対して具体的なアドバイスが送られました。
Q. ロビイングやパブリックアフェアーズ活動の成果・評価の書き方は?
- A. なぜそのステークホルダーを選定したのかという戦略的意図と、活動が最終的に社会や政策にどう影響したかを明確に記述することが重要です。なお、シート上のチェック項目の選択数は評価に影響しません。
Q. インターナルコミュニケーションの成果は「社会ごと化」まで必要なのか?
- A. 「社会ごと化」は必須ではありません。社内課題に対しどのような思想設計で臨み、従業員の意識や行動変容にどうつながったか、他社の参考になる示唆や学びがあるかが評価の対象となります。
Q. 複数カテゴリーを選択する場合の記述バランスは?
- A. 文章量を均等にする必要はありません。選んだカテゴリーに対して「課題→設計→アイデア→実行」の縦のストーリーが一貫して見えていることが最も大切です。
Q. 直接証明が難しい波及効果は記載して良いか?
- A. 誠実に事実と推測の境界を書いていれば問題ありません。「影響を与えた可能性がある」といった文脈も含め、胸を張れる取り組みであれば審査員はその意図を汲み取ります。
まとめ
今年度のPRアワードでは、エントリーシートで「Wise Bravery (賢明な勇敢さ)」を表現することがいかに審査上重要視されるかが分かりました。また、エントリーシートを作成することで、自社のPR活動を棚卸しし、PRデザイン力を磨く機会にもなると感じました。自社ならではの挑戦を、ぜひ「PRアワード2026」で発信してみてはいかがでしょうか。
文責:株式会社 井之上パブリックリレーションズ 横溝優希
動画の視聴はこちら▼