PR を学ぶ大学生サークル「PRSAS」による参加レポート

2025 年 12 月 10 日時事通信ホールにて、PR アワード 2025 表彰式・受賞者プレゼンテーションが行われました。PR を学ぶ大学生サークル「PRSAS」からも 6 名の学生が参加させていただきました。
本記事では、「学生視点」での PR アワード 2025 表彰式・受賞者プレゼンテーションレポートをお届けできればと思います。(上智大学:石橋)
受賞プロジェクトのプレゼンテーションを聴いて
今回グランプリ受賞されたのは、「PR パーソンの未来予測を、災害対応に応用『能登半島地震 命を守る災害対応リアルタイム広報』」です。能登半島地震において、正確な情報を必要な人に届けたり、デマ等の拡散を防いだり、風化防止のために復興状況の発信を続けたりなどの様々な取り組みをした行政広報の事例です。
この事例を受けて、災害という非常事態の中で、どうすれば正確な情報を必要とする人々に伝えられるか、ということを考えて根気強く取り組むことの重要性を感じました。
また、「人の想い」の重要性も改めて感じました。普段は忘れてしまいがちですが、「人の想い」を無視しては、人々の気持ちを動かし、意識や行動を変革させていくことは難しいと思います。
だからこそ、私はそうした人の想いに寄り添うことが、PR において欠かせないことであるのではないかと考えました。(上智大学:石橋)
ゴールド・シルバー・ブロンズの受賞では、社会との関係性を重視したプロジェクトが多く評価されました。今年の受賞事例に共通しているのは、PR を単なる情報発信ではなく、人々を関わらせる仕組みとして設計している点です。
ブロンズ受賞の岐阜県飛騨市「ヒダスケ」は、人口減少や担い手不足という深刻な課題を、
「住んでいなくても関わることができる」という前向きな参加の形へと転換しました。また、アッヴィ合同会社の「I Know IBD」は、炎症性腸疾患という目に見えにくい問題を日常空間に持ち込み、当事者が安心できる社会を具体的な行動によって示しました。
シルバー受賞では、企業の経営課題や社会構造に踏み込む PR が目立ちました。エデンレッドジャパンの「第三の賃上げ」は、福利厚生である食事補助を実質的な賃上げとして再定義し、政策議論にまで発展しました。また、バーガーキングの出店拡大キャンペーンは、ファンを経営のパートナーとして巻き込み、企業と消費者の関係性を変えた点が印象的でした。
ゴールド受賞の金龍製麺「金龍のしっぽ」プロジェクトは、道頓堀の象徴ともいえる立体看板を起点に、地域文化とブランドを資産として育てた好例です。笑いや親しみを通じて合意形成し、ブランド好意度を大きく向上させました。
これらの事例を通して、私は PR とは、人を動かすために説得するものではなく、人が自ら動きたくなる状況をつくる行為だと感じました。社会課題や企業の想いを一方的に伝えるのではなく、人々の共感や参加の余地を用意することが、結果的に大きな変化を生むのだと思います。PR アワード 2025 表彰式・受賞者プレゼンテーションに参加し、これからの PR が社会とどのように向き合うべきかを示したプレゼンテーションを聴いて、PR の社会における重要性を再認識することができました。(上智大学:川口)
課題解決だけではない楽しさの設計
私は残念ながら当日会場には行けませんでしたが、受賞作品やメンバーからの報告を見ているうちに、ある共通点に気づきました。それは、「人に寄り添う」という姿勢がベースにあるからこそ一見ネガティブな課題であってもクリエイティブの力でポジティブな価値に転換できるということです。
疾患や廃棄ロス等のマイナス要素の強いテーマでも、人の気持ちに深く寄り添うことで体験や商品という新たな形に生まれ変わり、誰もが参加してみたいと思えるものになっていました。課題解決を義務としてではなく、楽しさや共感を生み出しながら解決へ導いていた点にとても感銘を受けました。
今回の受賞作を調べてみて、PR の役割は単に「情報を広めて信頼を得ること」だけではないのだと改めて実感しました。マイナスな社会問題をプラスに変えたり、人が自然と興味を持つような仕組みを作れたりするのは、PR 特有の面白さだと思います。
来年はぜひ実際に会場へ足を運び、プロジェクトの背景にある熱量などを直接肌で感じて、自分の学びに繋げていきたいです。(上智大学:徳田)
PRアワード授賞式見学を通じて
今回の PR アワードでは、のべ 11 の企業による受賞事業のプレゼンテーションが行われました。
その中には、公共性の高いものから一風変わったユニークなプロジェクトまで、様々なアイデアがありました。しかし、全てに共通していたのは「より良い関係性を構築することで社会をもっと良くしたい」という強い思いであったと思います。
今回の表彰式で、世の中にはまだまだ自分の知らない課題があふれていることに気づきました。PR は、こうした課題を世間に伝えるだけでなく、人々の意識・行動を変え、人々が理解し合ってより良い関係を構築するための大きな役割を担っています。「プロモーション」ではなく「パブリック・リレーションズ」としての PR の重要性を、改めて実感した表彰式でした。(上智大学:川上)

