オーストラリア大使館 商務担当公使 エリザベス・コックス氏 ご登壇

They Talk Forum 開催レポート:2025年11月4日実施

エリザベス・コックス氏(オーストラリア大使館 商務公使)

2025年11月4日、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(PRSJ)主催による「They Talk Forum」がハイブリット形式で開催されました。今回は、オーストラリア大使館 商務担当公使のエリザベス・コックス氏を迎え、「オーストラリアのジェンダー平等の現状・今後ならびに私的経験に基づいた広報の重要性の高まりについて」をテーマに、意見交換を行いました。会場(住友商事㈱会議室)は関係者含め28名と満席、オンラインでの参加も23名となり、国際的な視点から現代の課題を議論しました。

大使館とコミュニケーション オーストラリアと日本の関係

広報PR、コミュニケーションとは、組織の重要な位置付けにあり、戦略的な重要な役割を担っているというものであるという話題から始まりました。それはつまり、人と人とのつながりであり可能性を理解すること。文化や産業の壁を越えた信頼づくりに他ならないもので、組織の目的を形づくる役割を担っており、コックス氏は、商務公使として、国と国とのコミュニケーションの役割の責任を果たしているとお話されました。直近の事例では、大阪で開催されたエキスポにおけるオーストラリアパビリオンの成功事例が紹介され、文化交流とビジネス促進の相乗効果が強調されました。

オーストラリアのジェンダー平等への取り組み

マッコーリーグループでの日本コーポレートアフェアーズ時代を振り返り、日本の沈黙の文化や、意思決定の場面での女性の活躍の少なさについて触れました。ジェンダー平等は、社会経済の基盤であるとし、多様な視点や価値観は、長期的な発展につながることを述べました。また、コックス氏自身の私的な経験として、「自分を信じること」が自身のキャリアを推し進める原動力となったというエピソードも披露されました。

フォーラムの終盤では、職場におけるジェンダー平等の課題と解決策が議論されました。参加者からは、男性優位の職場文化における女性のキャリア形成の難しさを率直に語り、女性同士が互いに支援し合うネットワークの重要性が議論されました。オーストラリアの制度的取り組みが成功事例として紹介され、日本においても包括的な文化を促進し、女性の社会参加を支援する政策の必要性が確認されました。

活発な意見交換が行われる会場の様子

また、コックス氏は、ジェンダー不平等を防ぐためのシステムや政策の整備が不可欠であると述べ、長時間労働や家庭責任との両立に関する課題を共有しました。議論は、今後の協力機会を模索する前向きな姿勢で締めくくられました。

They Talk Forumは、情報交換の場にとどまらず活発な議論の場となりました。ジェンダー平等の推進、透明性のあるコミュニケーション、文化交流の強化は、今後の国際ビジネスにおいて不可欠な要素です。本フォーラムで共有された知見は、広報・コミュニケーションの専門家にとって、グローバルな視点を持ちながらローカルな課題に対応するための貴重な指針となるでしょう。