「発想力と実装力で現実を動かす、新時代のマーケティングPR マーケティングPR最前線講座」講演レポート

2025年11月6日に開催された「マーケティングPR最前線講座」では、The Breakthrough Company GOの三浦 崇宏氏を講師に迎え、ビジネスと社会を動かすクリエイティブの本質や、コアアイデアの重要性についてお話を伺いました。
講師略歴
The Breakthrough Company GO 代表取締役 CEO
三浦 崇宏(みうら・たかひろ)氏
博報堂・TBWA HAKUHODOでPR・クリエイティブ領域の最前線を経験後、2017年にThe Breakthrough Company GO(以下、GO)を創業。「変化と挑戦にコミットする」を思想に、大手企業からスタートアップ、自治体まで幅広いプロジェクトを手がける。
タカラトミー、PLAZA、PILOT、東京大学など、多数の話題化施策をリード。
Cannes Lions、PRアワードグランプリ、ACCグランプリほか受賞多数。
著書に『言語化力』『超クリエイティブ』『何者かになりたい』など。
GOでは教育事業「THE CREATIVE ACADEMY」も展開中。
三浦氏が語る「ビジネスと社会を動かすクリエイティブ」の本質
講演ではまず、三浦氏が考える「クリエイティブの定義」について紹介されました。クリエイティブは単なるスキルではなく、人の感情を動かし、ビジネスや社会の課題を解決する力であると定義。GOではこの定義に基づいて、予算や技術に依存せず変革を起こすことこそをミッションとし、感情を動かすことで社会課題の解決を目指すと言います。
GOが手掛けた食品ロス削減の施策では、消費期限の迫ったおむすびや弁当などに貼る値下げシールに、涙を浮かべたキャラクターと「たすけてください」のメッセージを添え、消費者の「助けたい」という感情に働きかけました。購買率を約5ポイント向上させ、年間約3,000トンの食品ロス削減に寄与する見込みとのことです。

後半では、企業活動の羅針盤となる「コアアイデア」の重要性が解説されました。コアアイデアを導き出すためには、ブランドの歴史、顧客の本質的なニーズ、社会における役割などを多角的に分析し、「前提を疑う」という姿勢を持つことが不可欠であると述べられました。また、この前提を疑うという姿勢は、PRパーソンが組織に価値貢献するうえでも重要な鍵となることを強調されました。
質疑応答(テーマ抜粋)
・クライアントが自覚していない潜在的な課題に対する提案方法
・文章やステートメントを作成する際に、最も重要視しているスタンスや考え方
・コアアイデアが「良いアイデア」であるか否かの判断軸 など
取材後記
三浦氏の話を通じて改めて感じたのは、クリエイティブの本質は「人の心を動かす力」にあるということです。特に「コアアイデア」を軸に据えることで、限られたリソースでも大きな成果を生み出せることを、食品ロス削減施策の事例からも実感しました。PRパーソンとして、前提を疑い、多角的な視点で課題に向き合う姿勢の重要性も、深く印象に残る内容でした。
文責:(株)井之上パブリックリレーションズ 菊池 修平
