事業主体:アサヒビール株式会社/スマドリ株式会社
エントリー会社:株式会社電通

体質や気分、シーンに合わせて飲み物を楽しむ。飲み方の多様性「スマートドリンキング」を提唱するアサヒビールが、分断があった飲めない人と飲める人の共生・ダイバーシティ実現を目指し、日本一の繁華街・渋谷に飲めない人が主役のバー「SUMADORI-BAR SHIBUYA」をオープンした。
アルコールはダウントレンド?飲めない人の生きづらさ問題も
2010年、WHOが有害な飲酒を低減する戦略を発表したことで、世界的にアンチアルコールの流れができた。今後少子高齢化の進行もあり、アルコール市場は10年後には半分になると予想され、従来の「飲める人」をターゲットにしたマーケティングは限界かと言われている。
一方、国内ではここ数年、忘年会スルーやアルハラなど、お酒文化から排除されがちだった「飲めない人」からの不満の声が噴出。また調査からも、飲めない人は、「飲めないなんて付き合い悪い」「飲み続ければ飲めるようになる」といった飲める人から受ける多くのアンコンシャスバイアスに生きづらさを感じていることが判明した。飲める人と飲めない人には埋めがたい分断が存在していた。お酒は世界共通のカルチャーであるにもかかわらず、飲める人の声が強い、ダイバーシティが非常に遅れている分野だったのである。

飲めない人、飲める人の共生・ダイバーシティ実現のための場所づくりへ
飲める人と飲めない人の分断は、従来のノンアル商品や微アル商品など、「度数が低い飲み物を提供する」だけでは埋められず、アルコール文化から排除されてきた「飲めない人の視点」で、飲める人と飲めない人がフラットに共生できる場所を作る必要性があった。それが今回オープンした「SUMADORI-BAR SHIBUYA」である。
一つの象徴として、日本一の繁華街であり、飲酒問題を抱える地域でもある渋谷センター街にあえてオープン。多様性を推進する渋谷をデザインする一般社団法人渋谷未来デザインと渋谷スマートドリンキングプロジェクトを発足した。
その結果、20代を中心とする飲めない人というメインターゲットを動かし、飲める人と飲めない人の共生する社会、飲み方の多様性実現に向けた大きな一歩を達成した。

VOICE FROM STAFF
スマドリ株式会社 ブランドマネージャー 京谷 めい・加藤 寛康
店舗設計からコミュニケーション設計まで、飲めない人と「共創」したことがターゲットに響いた理由。今後もBARでの「スマドリ体験」を核に共感者の輪を広げ、飲み方の多様性実現を推進したいです。