シルバー

事業主体:株式会社ポプラ社
エントリー会社:TBWA\HAKUHODO/株式会社博報堂
応募部門:ソーシャル・コミュニケーション部門


2018年4月全国の小学校で道徳教科化スタートというモーメントに合わせ、子どもが考え議論する絵本『答えのない道徳の問題どう解く?』を開発&出版。授業用に書籍を無償公開することで、現在小学校や中学校の授業で使用されている。

絵本『答えのない道徳の問題どう解く?』の表紙イラスト

子どもを持つパパの視点を活かして

いじめ、自殺といった子どもを取り巻く社会問題。さらには、多様化していく社会。そんな中、今の子どもたちには相手の立場になるなど、多様な視点で物事を判断するチカラが必要 ではないかと考えた。広告業界に身を置くパパクリエイターが、ポプラ社とともに新たなアプローチの書籍を開発。それが、『答えのない道徳の問題どう解く?』である。「ついていい嘘とついちゃいけない嘘って、どう違うんだろう?」「どうして正義のヒーローは、悪者を殴っていいんだろう?」など、大人でも答えるのが難しい13の問いが並び、子ども・家族・教室で、考え議論を生み出すためのツールである。また、同書には答えが存在しない。活動に賛同した著名人(羽生善治氏、谷川俊太郎氏、池上彰氏など)や子どもたちの意見が並べられ、考えるきっかけを誘発する新しい形の本である。

2018年4月、出版

出版は「2018年4月全国の小学校で道徳教科化がスタート」という、世の中が道徳について考えるモーメントに合わせた。新道徳の指導要領に対する戸惑いもあり、メディア・教育関係者・保護者を巻き込みまたたく間に広まった。また、タイトルを議論の呼びかけとして「#どう解く」を展開。サイトも公開し、読者自らの意見を書き込める参加型にした。さらに、親子ワークショップも実施。朝日、日経はじめ地方紙・テレビ各社 が議論の様子を取り上げた。

2018年7月、授業スタート

埼玉県戸田市教育委員会とともに、公立小学校ではじめて授業を実施。さらなる活用を想定し「授業用」に限り、書籍の中身を無償公開。サイトでダウンロード可能に。

2018年11月、中学校での授業を実施

「2019年4月から中学校で道徳教育化スタート」を見込み、 中学校でも授業を実施。「単に学ぶのではなく、考え議論を生む」ためのアクションが、子どもたちや教師を動かし、教育界に 一石を投じる形となっている。

文・(株)博報堂 山㟢博司


Voice from STAFF

(株)博報堂 山㟢博司

子どもが能動的に考えて自分なりの答えを導き出す。その姿勢がこれからの時代を生き抜く力につながると思うのです。この本が子どもにとって考えるための一助になればと思います。