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事業主体:高崎市
エントリー会社:株式会社博報堂ケトル/株式会社博報堂
応募部門:コーポレート・コミュニケーション部門


群馬県高崎市はかつては多くの個人飲食店で賑わっていたが、時代の流れとともにその数は次々に減少。全国的に起こっている地方都市問題を抱えていた。「絶メシリスト」は、そんな古くからある町の個人飲食店を「絶メシ」と名付け、“今すぐ食べに行くべき! 希少なグルメ”として紹介していくことで、こうした古い飲食店にもう1度、光を当てるローカルグルメ情報サイトだ。

地方都市に活気を

群馬県高崎市は“内陸のハブ都市”として、かつては多くの個人飲食店が軒を連ね、賑わっていた地方都市。しかし町の都市開発により、ショッピングモール等の大型集客施設が増える 一方、古くからあった個人経営の飲食店が次々に減少。結果、町の中から活気がなくなってしまった地方都市状態にあった。
そんな高崎の町の飲食業を再び活性化し、地方都市「高崎」への注目を高めることが課題であった。

「絶メシリスト」発信

そこで我々は、“この先絶えてしまうかもしれない地元の古い飲食店”を「絶メシ」と名付け、その魅力を紹介する初のローカルグルメ情報サービス「絶メシリスト」を公開。市民からの調査をもとに、地元に愛されてきた老舗の自慢の味や個性溢れる店主の魅力を、ここ高崎でしか食べられない「絶メシ」グルメとして発信していった。 また、絶メシ店の味を未来へと残すため、後継者の募集や秘伝のレシピを公開するコンテンツも展開。「絶メシ」は市をあげての一大キャンペーンとなり、その魅力を全国へと伝えていった。

全国の“絶メシブーム”を牽引

その結果、地方都市が抱える「飲食店廃業問題」へのこれまでにない試みとして、全国からメディア取材が殺到。絶メシリスト掲載店の売上が、平均20%増加し、絶メシ店の後継者候補 が決定。さらに「絶メシ」の書籍化、テレビ番組化が実現。現在では、「絶メシ」は他の都道府県でもスタートし、高崎の町の みならず、全国的に“絶メシブーム”が起こり、消えつつあった飲食店が新たな「観光資産」となっている。

文・(株)博報堂ケトル 畑中翔太


Voice from STAFF

高崎市役所総務部企画調整課 主任主事 中沢弘志

「絶滅」という負のイメージを連想させるネーミングや、個人商店のみを選んで紹介する点など、行政として、調整が難しい部分も多かったが、今回、これまでの行政の壁を破れたこ とで、絶メシの成功につながった。