「池袋ハロウィンコスプレフェス」
10年にわたる地域とのコミュニケーションが築いた”聖地“

エントリー会社:池袋ハロウィンコスプレフェス実行委員会
(豊島区/ドワンゴ/サンシャインシティ/アニメイト/ハコスタ)
事業主体:株式会社ドワンゴ

2024年12月11日 受賞者プレゼンテーション

コスプレ文化を通じた地域振興へ

「池袋ハロウィンコスプレフェス」は、2014年から池袋の街を会場に開催する、「コスプレ」がテーマのハロウィンイベント。はじまったきっかけは2014年、豊島区が東京23区で唯一「消滅可能性都市」と指摘されたことが始まりである。脱却に向けて豊島区、ドワンゴ、サンシャインシティ、アニメイト、ハコスタが実行委員会となりイベントをスタートした。

コスプレを「異質」から「身近」に

イベント開催にあたり課題となったのは、コスプレという新しい文化への地域の抵抗感である。豊島区はサブカルへの文化的な親和性は一定ありつつも、街全体を会場とするコスプレイベントの開催には不安な声が多くあがった。この課題を解消するための3つのステップとして、「安心安全のルール作り」「地域への還元」「一体感の醸成」を設定し、施策を実行。地域との良い循環を生み出し、来場者数は2019年時点で開催当初から倍以上に増加した。

新たな課題「ハロウィン騒動」

その後、日本各地や隣国などでハロウィンに関する事件や事故が複数発生したことの影響により、池袋にも報道が殺到した。これまで大きな事故なく安心安全を積み上げてきた池袋ハロウィンコスプレフェスの詳細を伝えたことにより、結果として池袋は「成功例」「聖地」として各メディアに紹介された。これにより、地域のイベントへの安心感はより強固なものになった。

地域の未来のために

10周年を迎えた2023年、イベントの来場者数および開催エリアは過去最大となった。小さな子どもの参加も増え、地域のイベントとして発展するだけでなく、海外からの来場者も増え、日本のポップカルチャーを世界に広める一助となりつつある。

ご担当者の声

「地域を良くしていく」という共通の目的のもと、10年以上にわたり様々なステークホルダーと対話を継続しながら、少しずつイベントを成長させてきた結果が今につながっていると感じます。これからも地域の皆様と共に、より良い未来を築いてまいります。

株式会社ドワンゴ 徳村泰聡

評価ポイント

コミュニティのステークホルダーとの信頼関係に基づき、長い年月をかけて築き上げたプロジェクトはパブリックリレーションズの王道といえる。