大別して二つある。一つはこの年、団塊世代が全て75歳以上の後期高齢者に達し、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、人類が経験したことのない社会構造になること。結果として医療・社会保障・介護費用が急増するだけでなく、人口減少に伴う働き手不足、消費減速も相まって国力そのものへの影響も懸念される。
もう一つは、企業のITシステム老朽化(レガシーシステム)の問題。経済産業省が2018年のレポートで「2025年の崖」として警告を発した。レポートの最悪のシナリオでは、21年以上基幹システムを更新していない企業の割合が60%に達し、企業のIT予算の9割以上をレガシーシステムの保守に充てざるを得ず、IT人材が43万人不足する等の事態となり、それらに起因するトラブルによる損失が年間12兆円に達する、としている。