ボランティアとガバナンス

公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会
理事   大里真理子

 

PRSJの理事以外にも、数多くのボランティア活動を行っている。
以前勤めた企業のOB会のようなインフォーマルな組織での活動もあれば、(公社)日本オリエンテーリング協会などの公的なスポーツ団体の理事活動もあるし、PTAや息子の通うサッカークラブなどの地域に根差したコミュニティーにおける活動もある。

ボランティア活動は楽しい。しかし、組織として継続的に活動するには、マネジメントも大事だ。ボランティア組織を運営するのは、会社の経営とはちょっと違ったスタンスとノウハウが必要と感じている。

人は無償でも、なぜ活動してくれるのか?
ミッションへの共感、社会貢献への意欲、好きだから、得意だから……。さまざまな理由でボランティア活動を行ってくださる方々をどう増やして、そして巻き込んでいくのかは、とても大切なテーマだ。

なかなか真似はできないが、肝に銘じていることがある。

私がまだ(公社)日本オリエンテーリング協会の理事になるだいぶ前、会長にある提案をしたことがあった。ビジネスさながらプレゼンテーション資料を用意して。
プレゼンが終わったあとに、会長はにっこり笑ってこう言われた。
「大里さん、とても良いプレゼンだったよ。大里さんって仕事でもこういう風にしているんだろうなぁ……。でもね、ボランティア活動では、これではダメなんだよ」
「大里さんのプレゼンは素晴らしかったけど、僕だったらね、穴だらけのプレゼン資料を作るんだ。そうしたらね、皆、『こんな人に任せていたら大変なことになる!俺がなんとかしてやらなきゃ!』って頑張ってくれる。ボランティア組織はね、『俺がいなけりゃ、この組織は成り立たない!』って思わせて、どんどん皆に働いてもらうのが良いんだよ」

仕事の傍らに行うボランティア活動は、多くの人が入り込む余地のある「ゆるさ」も必要だ。自分が一生懸命になりすぎると、タスクの精度を上げてしまい、意図せず排他的になり、気が付くと後ろに誰もいないことがある。
しかしながら昨今、ガバナンスという名のもとに「ゆるさ」を許さない動きがあるのも事実だ。公益社団法人になるとなおさら。「バランス、バランス」と心でつぶやきながら、今日もボランティア道を探り続けている。

 

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