広報の仕事って難しい

沢井製薬株式会社 戦略企画部
広報・IRグループ 矢野 亜紀子

 

研究部門から現在の広報・IRグループに異動して2年半が経過します。異動直後は広報と広告の違いも分からず、さらに、研究部門では極秘任務で外部への情報開示はもってのほかだったことから戸惑うことばかりでした。現在はすっかり広報に慣れて・・・と言いたいところですが、新卒で沢井製薬に入社し、研究部門でみっちり10年かけて培われた「しゃべっちゃダメ」精神はなかなか消えません。自部門が何をしているのかをなるべく知られないように過ごした10年から180度変わって、自社の状況や未来をどんどんお話する部署への配属です。
そういうわけで、未だに広報の仕事に自信がありません。どのようにPRしようか、企業ブランドを上げるためにはどうすればよいのかと、不安を感じながら恐る恐る話すことが多いのです。今回のコラムのご依頼を受け、国語力ゼロの私にはとんでもないとお断りしようと思いました。けれど、いっそのこと、この頭の中の“もやもや”を皆さまと共有し、ご指南などいただけたら・・・そんな思いで執筆してみました。

私の考えるPR
PRとはご承知のとおりPublic Relationsであり、「Public=一般の人々」と「Relations=関係性」をつくる仕事という意味です。私たちは社会と企業をつなぐ役割を担っており、企業が行う様々な活動を円滑に遂行するために活動内容を正しく社会に認識してもらい、なくてはならない存在だと認識していただく、そのために認知や印象、つまりはブランド力を上げていく必要があるのだと思います。

沢井製薬のブランド力
ブランド力を上げていくためにどういった活動をすればよいのでしょう。幸い、当社はジェネリック医薬品の製造販売においてはリーディングカンパニーと呼ばれ、他社に先駆けてジェネリックのCMを行っていたことからも「サワイといえば高橋英樹さんのCM」、「サワイといえばジェネリック」というブランディングができていると自負しております(患者さんへの企業認知率は84.1%です)。売上もジェネリック製造当初の1億円から約50年で1,600億円まで躍進いたしました。おかげさまで当社は、専門誌や一般紙の記者さんから取り上げていただく機会もあり、恵まれた環境にあります。しかしながら、国内市場は高齢者の増加により規模は拡大しますが、薬価制度議論で業界再編と集約化が進む兆しにあり、当社が生き残るためには、これまでとは異なる視点や手法を取り入れていかなければなりません。
近年は広報業界でもパラダイムシフトが起こり、ハイブリッドPRという言葉も耳にします。アプローチの方法も従来型の「記者さんなどマスコミに対する広報活動」に加え、「デジタルを主体とした広報活動」など様々です。さらに、ブランドは目に見えないものではありますが、広報活動による露出や論調など「結果」を分析し戦略的広報を行う必要があります。幸い、前部署では長らく数値や現象を基にした分析業務を行っており、評価することが好きでありかつ得意でもあります。

創業当時の澤井製薬株式会社 本社

現在の沢井製薬株式会社 本社

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今後
異動してからの2年間はとにかくドジをしないように、着実に仕事を覚えることで精一杯でした。この半年は、他社広報の皆さまとお話し、様々な手法や考え方に触れております。今後は、持ち前の好奇心をフル稼働し、いろいろな立場や環境を体験し、活用できればと考えております。執筆しながらも、頭の中の“もやもや”は消えてはくれませんでした。けれど、消えないからこそ日々が勉強だと思えるのかもしれません。

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