シルバー

事業主体:オリックス不動産株式会社
エントリー会社:株式会社電通
応募カテゴリー:マーケティング・コミュニケーション


すみだ水族館と京都水族館では、ペンギン1羽1羽の持つ個性やエピソードを詳細かつ赤裸々に記した「複雑すぎる相関図」を制作。どこで見ても同じと思われていたペンギンに、他館とは異なるドラマ視点を加えることで差別化を図り、大きな話題化と来館理由形成に寄与した。

ヒントは飼育スタッフの「記録と記憶」

オリックス不動産が運営するすみだ水族館・京都水族館は、おでかけ先としての存在感低下を危惧していた。また、両館の目玉ともいうべき100羽以上のペンギンも、他の水族館との差別化を図れていなかった。そこで着目したのが、日々ペンギンたちと向き合う飼育スタッフによる深い観察と、飼育の記録。健康状態把握のためスタッフ内のみでシェアされていた個性や関係性といった「生態情報」を、純愛、浮気、引きこもりなどの「私生活」として翻訳し、そのすべてを公開するプロジェクトが始まった。

ペンギンを「見に行く」ではなく
「会いに行く」水族館へ

スタッフの飼育記録と取材によって明らかになったペンギン1羽1羽の個性やエピソードを、1枚の相関図に凝縮。一見同じに見える彼らの中から「自分に似ている」「感情移入できる」お気に入りの1羽を見つけてもらうことで、来館者の向き合い方を「いきものを見に行く」から「あの子に会いに行く」へとシフトチェンジさせる。いきものへと向ける視点そのものをデザインすることで、他館とは大きく一線を画すブランディングと話題化をめざした。

SNSを中心に話題化
ブランドイメージも向上

相関図の掲出・発信はあえて館内と公式SNSのみにとどめ、来館者やSNSユーザーが自分で発見→拡散したくなる「個人着火」を狙う仕掛けとした。結果、複数の個人SNSアカウントを着火点として話題が拡散。ツイートシェアは26万を超え、600以上の媒体で紹介されるなど、大きな話題となった。また、ペンギン1羽1羽への注目が高まることで来館者と飼育スタッフ間でのコミュニケーションも増加。ブランドイメージも10%以上向上するなど、館のブランディングにも大きく寄与する結果となった。


Voice from STAFF

株式会社電通
第2CRプランニング局 伊藤みゆき

この相関図は、飼育スタッフの観察力と深い愛情の賜物です。ちなみに、大幅なアップデートを加えた最新版の相関図も公開中。「ペンギン相関図2020」で検索して、ぜひご覧ください!