年頭にあたって

公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会
理事長  近見竹彦

 

新しい年を迎えるにあたり、我々はこの四半世紀に、何度黒船を迎えるのだろうという思いを強くする。今回の黒船であるAI技術はデジタルトランスフォーメーションの真打ち登場といったところであろうか。我々のビジネスのみならず社会生活全般に大きな変革の波を起こしながら、さらに勢いを増していくのかもしれない。

この黒船をどう扱うのか、すでにAIに取って代わられる可能性が高い業種についていくつかのシンクタンクが発表しているが、広告業やコンサルティングファームも比較的上位にランクされている。当然われわれPRの領域も同様と考えざるを得ない。広告業界を先例にとると、コンテンツターゲティング広告、アトリビューション分析などデジタル領域の拡大に応じてアドテクノロジーの世界も急速に進化し続けている。とはいえ現状ではビッグデータを活用してより最適化を求めるプログラムになっており、単線的な思考になっているように思える。AI技術はこの思考の幅を広げアドテクノロジーのキーとなっていくに違いない。

それではPRにおいてはどうであろうか、この回答は読者がPR業務をどこにプライオリティーを置くかによって変わってくる。単純に言うとニュースリリースやパブリシティなどの作業は速やかに置き換わるであろう。しかし、PR作業の駆動力となるクリエーティビティや多くのデータ、情報から戦略を組み立てる際のレイヤーを超えるアイデアなどはまだまだ優位性を保つに違いない。それは感性の面や優秀なPR人材の持つ深い知見と経験に基づいた独特の勘などはまだまだAIの追随を許さないと私個人は思っているからである。

実際のところAIは我々PR人材にあなた方はいかなる能力を強みとするのかを問うているのかもしれない。ただいずれはクリエーティブやビッグアイデアもAIはモノにしてくるのであろう。そうなると我々はAIをチーム内の中心となる優秀なプランナーとして付き合っていけばいいと思う。AIは情報やデータを蓄積させるだけではその能力を発揮できない。そのデータと情報をどのように使うかについては教師となるプログラムが必要である。我々は良い教師になればよいのかもしれない。いずれにしてもかつて黒船の出現は日本の国力を高めることに大きく貢献をした。我々はこの歴史に学ぶべきであろう。

 

 

 

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