大阪ミナミ・アメリカ村のギャラリー“KAKIBA”にはアイデアが詰まっている

株式会社電通パブリックリレーションズ
常務取締役・関西支社長  齋藤 正人

 

大阪ミナミの商業施設「ビッグステップ」のB2に、イラストレーター黒田征太郎さんのギャラリー「描場/KAKIBA」があります。
2014年から15年にかけて黒田征太郎さんは、東大阪のアクリル工場に通い、絵画やクラフトをアクリルの塊に封じ込めたアート作品の制作に取組みます。150点2.5トン分ほど制作して工場が作品でいっぱいになったところで、「この作品を見せる場所を作りたい」という相談を受けました。(相談する相手を間違っている!と思いながらも口にできず)東奔西走するうちに素晴らしいご縁に恵まれ、ビッグステップのオーナー青山浩章さんのご好意で、2016年4月にKAKIBAをオープンすることになりました。

以来アクリル作品の常設展示に加え、1~2ヶ月ごとに「花展」「船展」「鳥展」など、その都度描きおろした作品で展覧会を続けています。17年2月には相棒の長友啓典さんの「翼の王国のおみやげ原画展」。翌3月には大阪北堀江のバーFlyのカウンターでコースターやメモ紙に描き続けた、夥しい数のハエの画ばかりの「Fly展」。Flyのマスター安居さん曰く「カベにかいたらアカンゆうたら、カウンターでこんな事になりました」-などなど。

そしてこの3月から4月8日までは長友啓典さんの一周忌にあたって「長友啓典と黒田征太郎が面白がって造った広告物展」です。銀座やミナミの飲み屋のマッチ、名刺、(今ふうに言えば)フライヤー、GOROや週刊毎日の表紙、そして関西人なら皆知っているFM802のバンパーステッカーなどなど。まあ、チャーミングで説得力のあるデザインの数々をお二人は造り続けて来られたんですね。

大阪ミナミのビッグステップが懐に抱え込んだ「珠玉の宝石箱」がKAKIBAだと思っています。ところで黒田さんは数ヶ月に1度、ビッグステップの大階段を使ってライブをやってきました。
トランペットの近藤等則さんやドラムの中村達也さん、ピアニカのミッチュリーさんなど大阪の若手のミュージシャンの音楽とアートの、コラボというか、闘いというか。1.5×1.5mのキャンバス2枚をステージに立てて、互いに刺激し合いながら音と絵が作り出されます。20年ほど前、ある財団のマークを制作するのに、1時間ほどのセッションの間に次々に描き重ねられてゆくキャンバスを写真に収めておいて、途中現れた鳥の絵からマークを起こしたことがありました。またA全版などの紙にクレヨンで描くポスターライブもやります。音楽に合わせて数十秒で1枚、鳥・花・犬・・・数十枚のポスターを描き上げます。

キャンバスに次々に現れる絵、数十秒で描き上げられる動物や花。それらの表現はアイデアに溢れていて、アイデアが尽きることなく表現され続けます。「面白がって造った広告物展」の小さい広告物たちも思わず唸ってしまうようなアイデアに満ちています。
ミナミにお出かけの際はきっと、KAKIBAを覗いてみて下さい。未知のアートに出会う驚きと、マッチや名刺やコースターを、他のマッチとは全く違う唯一のものにしているアイデアを楽しめるはずです。

 

<ライブペインティング>

 

 

 

 

 

 

 

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