『移動者を知る』~移動中の生活者の行動とインサイトに関する研究~(協会ニュース 2017年8・9月合併号より)

株式会社JR西日本コミュニケーションズ
営業本部
コミュニケーション・プランニング部
部長 高橋伸治

JR大阪駅が「大阪ステーションシティ」として新しく生まれ変わって丸6年になりますが、その頃から当社ではデジタルサイネージを中心とした新しいメディアの開発を積極的に進めてまいりました。駅構内での複数面連動型サイネージやファサードでの大型ビジョンなど、様々な機能を有するデジタルサイネージを大阪駅だけでなく京阪神の主要駅に数多く設置し今ではそれが交通広告の主力メディアになっています。

写真3

写真4

こういった駅のメディアや、また電車内のビジョンやポスターなどは、通勤や通学で移動中の生活者とコミュニケーションするためのメディアであり、当社ではそういったメディアの開発と同時に、コミュニケーションの相手である「移動中の生活者=移動者」の研究を進めています。近年、スマートフォンや携帯タブレットが急速に普及し、また前述のようにデジタルサイネージが発達したことなどによって生活者は自宅やオフィスだけでなく、移動中にいろいろな情報を得ることができるようになりました。

また駅ナカや駅チカの商業施設の開発も更に活発化していることで、移動中に買物をしたり様々なサービスを利用したりする環境も益々充実化しています。このことは、生活者に商品やサービスを提供する企業にとっては、「移動者」とうまくコミュニケーションをすることでその行動に影響を与え購買やサービス利用を促進できる可能性が広がってきたということでもあります。そのために、まずは「移動者」をよく知り、「移動者」に対してどのようなコミュニケーション方法が効果的なのかを考える必要があります。

皆さんは朝、会社に向かう電車ではどのように過ごされているでしょうか? 会社帰りの電車ではどうでしょうか? 月曜の朝の出勤途中はどんな気分でしょうか? 金曜日の会社帰りの移動中にはどのようなこと考えることが多いでしょうか?

生活者を「移動中」というTPOで捉えた場合、そこには特有の心理や行動パターンがあることが想像できます。これまでの調査によりますと、生活者はスマートフォンを手に入れたことで移動中にできることが以前とは比べものにならないくらい増え、それによって以前は、移動時間は“つぶす時間”であったものが今は“使う時間”になっています。では「移動者」は移動時間を使ってどのような行動をしているのでしょうか?

写真2

写真1

「移動者」との効果的なコミュニケーションの方法を探るために、私たちはこのような研究に取り組み、その成果を「Jコミ・マーケティングニュース」という情報誌で発表しています。インタビューや行動観察をもとにしたこれまでの研究によって私たちは、例えば、「移動者は非日常的なコトに関心が向きやすい」、「移動者は自分のコンディションに敏感になっている」、「移動者は過去や未来のことをぼんやり考えていることが多い」、「移動者は仕事モードと家庭モードを切り替えようとしている」といった仮説を導き出しました。

今後もこのような研究によって更に新たな仮説を導き出し、またそれを検証しながら「移動者」をより深く理解したいと考えています。

 

このページの先頭へ