「ありがとう」の言葉の持つ意味(協会ニュース 2017年1月号より)

株式会社ロイヤルホテル グループサービス部門 広報担当

高橋 佐都

 

1935(昭和10)年、関西財界をはじめ、多くの方々の「大阪に世界に通用するホテルを」という想いで新大阪ホテルが誕生して81年。1965年に竣工した「大阪ロイヤルホテル」も大阪の方々の一般公募によって選ばれるなど、リーガロイヤルホテルは、まさに大阪の歴史とともに歩んできました。

 

そんな歴史あるホテルに私が入社し、半年間の研修を経て配属されたのは当ホテルでも屈指の売上と忙しさを誇る「オールデイダイニング」でした。オールデイダイニングとはいえ、お誕生日、結婚記念日、出産祝い、退職祝い、還暦祝い、忘年会、新年会、歓送迎会など、本当に様々な利用シーンがあり、当ホテルを何十年とご利用いただいているお客さまをはじめ、毎日何百人、多い時には千人を超すお客さまと接する機会がありました。

 

時には厳しいお言葉を頂く事もありましたが、私がどんな局面でも乗り越えてこられたのは、お客さまからの「ありがとう」という言葉があったからです。

1年間という短い間で、どれだけの数の「ありがとう」という言葉を頂いたでしょうか。一緒に働く上司、先輩、同僚はもちろんのこと、お客さまからの「ありがとう」の言葉に幾度となく助けられてきました。kansaibreeze201701_01

 

私が特に印象深かったエピソードを一つご紹介させていただきます。

オールデイダイニングに配属されてもうすぐ1年が経とうとしている頃のことです。あるご夫妻が、大阪にいらっしゃるお嬢様夫妻、お孫さんたちに会いに、はるばる宮崎からお越しになり、ご会食の場として当レストランを選んで頂きました。最初からお孫さんも交えて会話が弾んでおり、笑顔溢れる幸せそうなご家族という印象でした。

 

ご家族でたくさんの写真を撮られていたところをお見掛けし、「皆さまでお写真お撮りしましょうか」と何気なくお声がけしたことをきっかけに色々なお話しをしていると、その日はお孫さんのお誕生日ということがわかりました。そこでお店から一輪のお花と集合写真のプレゼントをさせて頂きましたが、せっかくはるばる宮崎からお越しになったご夫妻にも何かして差し上げたいと思い、感謝の気持ちを込めて同様にお花を一輪プレゼントさせて頂きました。

 

すると、満面の笑みで「ありがとう。このようなことをしてもらったのは初めてだよ。」というお言葉を頂いて、私の心は温かい気持ちでいっぱいになりました。さらに、それだけに留まらず、お帰りの際もお店の中をわざわざ探してくださり、私に何度も「ありがとう」とおっしゃってお帰りになられました。kansaibreeze201701_02

 

仕事に慣れて初心を忘れかけていた私にとって、この時の「ありがとう」は本当に格別でした。普段何気なく使う言葉ですが、たった5文字のこの言葉が、時としてどれだけ相手の心を和ませ、勇気を与える力となるのか実感するとともに、改めて感謝の気持ちをもって仕事に取り組むことの大切さを身をもって感じました。

 

そして2016年10月、私は広報に異動になりました。広報は直接お客さまと接する機会は少ないですが、今までお客さまから頂いた「ありがとう」を一人でも多くの方へと還元していきたいと思っています。

 

「ありがとう」と、心に思っているだけでは相手には伝わりません。言葉に表すだけでお互いの心が少しでも寄り添えるのではないでしょうか。

 

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